ホテル
もっともモスクワ的なポストカードのような眺めが楽しめるこの部屋の一泊あたりの料金は123万9,000ルーブル(およそ205万円)。これはホテル「フォーシーズンズモスクワ」の7階にある、赤の広場と聖ワシリー寺院の景色が見えるロイヤルデラックスルーム「Pozharsky」のお値段。ベッドルーム3つ、大理石のバスルーム3つ、暖炉3つ、そしてテラスとサウナがついている。ちなみに朝食はついておらず、別料金となっている。
「ロッテホテルモスクワ」のロイヤルデラックスルームもほぼ同じ料金で、118万ルーブル(およそ208万円)。こちらはモスクワでもっとも大きなデラックスルームで、広さは490平米だが、希望すればさらにこれを広げることができる(隣のデラックスルーム“ジュニア”をも使える作りになっている)。ここには冬の庭、サウナ、スマートハウスシステム、図書館、ベヒシュタインのグランドピアノ、そして24時間この部屋の宿泊客のためだけに働いてくれる給仕人がつく。
売り物件の家、マンション
「黄金の」アパートはホテル「フォーシーズンズモスクワ」と同じ建物の中にあり、赤の広場の方に向いている。2階から成るペントハウスは広さ1,256平米で、お値段は35億8,000万ルーブル(およそ59億4,000万円)。しかしクレムリンに近いからと言ってこれほどの金額を出す人はおらず、アパートはすでに何年も売れない状況で、値段は年々、下がっている。
この広いアパートに較べて、モスクワ・シティの高層ビルのアパートの部屋は同じくらいの広さがあってもその値段はかなり”安い”。ヨーロッパでもっとも高い場所にあるペントハウスであるフェデレーションタワー93階の3階から成る広さ2,181平米のアパートは22億ルーブル(およそ36億5,000万円)というお値段。
しかしもっとも高価な不動産はモスクワ市内ではなく、ロシアのオリガルヒたちが好んで住んでいる近郊にある。2年前に最高の金額をつけたのがこの家で、金額は58億ルーブル(およそ96億円)、ルブリョヴォ–ウスペンスコエ街道にある。
家の写真はあまり公開されていないが、映画館からビリヤード場、ハンマーム(浴場)から会議室、ミニ農園、釣り池まですべてが揃っている。敷地の広さは1,700㎢だが、まだこれを大きくすることが可能だという。
もっとも高価なSPA&フィットネスセンター
すでに何年も前からGolden Mile Fitness & Spaはモスクワでもっとも地価が高い横丁の一つであるヒルコーヴィ横丁に位置している。お値段は年間32万ルーブル(およそ53万円)。「高質なライフスタイルを真に評価できる人のための」というのがこの施設が掲げる売り文句。
これが成り立っているのは周辺の住民のおかげである。というのもオストージェンカ地区にはロシアでもっとも裕福な人々が暮らしているため。2013年、オストージェンカは住宅の価格でニューヨークの5番街を追い抜いている。
レストラン
ロシアには大きな矛盾がある。それは、ミシュラン一つ星に値するレストランが1軒もないのに、そのレストランの料金は信じがたいほど高価な場合があるということである。
モスクワでもっとも高価なレストランの一つが「トゥーランドット」。6年かけて作られたこのレストランは、ロココ様式のインテリア、バウシャーの食器、中国のアンティーク品、壁画と彫刻で飾られた11の部屋があり、「ロシアのヴェルサイユ」とも表現される。このレストランではフレッシュなヨーロッパキイチゴが1,800ルーブル(およそ3,000円)、スタンダード・ブランチが4,350ルーブル(およそ7,200円)、神戸牛ステーキが9,900ルーブル(およそ16,300円)。シャンパンのボトルは最高のもので175,000ルーブル(およそ29万円)もの値がついている。
ホテル「ウクライナ」の近くにあるホワイトハウスを望む中国料理のレストランSoluxe Clubには半貴石で出来た東ヨーロッパでもっとも高価なバーカウンターがある。「エンペラー・メニュー」には、アワビのエンペラーソースがけ9,500ルーブル(およそ16,000円)や蒸し焼きのシーバス6,500ルーブル(およそ10,800円)などがある。