ロシア人はアメリカ人よりも肥っているのか?

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 以下の事実は衝撃を与えるかもしれない。

 ロシア保健・社会開発省の調査によれば、ロシアでは、55歳以上の人は肥満傾向にあるカテゴリーに分類される。調査結果によれば、人は年をとっても食べる量はさほど変わらないのに、年をとるにしたがって運動量が減っていくため、その結果、腹・腰まわりがだぶつき、体重が増加してくることが分かっている。

 保健・社会開発省の専門家ヴィクトル・トゥテリャン氏は、「人はだいたい3,000カロリーほど摂取して、消費するのは2,500カロリーくらい。この余剰分の500カロリーが脂肪に変わっていくのです」と指摘する。

 肥満とは、ヒトの肥満度を示す国際的な指標BMI(ボディマス指数)が30を超えている状態と定義される。この範囲に含まれる人々は、心疾患、糖尿病、ガンなどを引き起こすリスクが高いこともあり、肥満は問題だとされている。

ロシアにおける肥満の状況 

 ロシアの肥満率は上昇している。2016年には182万5,362人(人口の1.24%)が医学的に肥満だったのに対し、2017年にはその数が193万6,272人、人口の1.3%にまで増加した

 14歳以下の子どもの間でも過体重と診断されるケースが増えている。ロシア消費者庁の長官で主任衛生検査官のアンナ・ポポワ氏によれば、ロシアにおける過体重の子どもの数は2005年以降、実に30%も増加した

 また毎年、最大で13万5,000人の若者が、体型が標準値を超えているとして兵役を拒否されている

 ロシア連邦栄養生物工学調査研究所によれば、2018年、30歳以上のロシア人の中で過体重の人の割合は女性が60%、男性は50%、そのうち男性の27%、女性の31%が数字的に肥満であった。 

摂取量は多いのに運動量は少ない

 こうした状況が生まれているのはなぜなのか。これについて政府は、問題は、病気に関して人々に啓蒙していくための体系的アプローチが確立されていない点にあると指摘している。「過体重のティーンエイジャーの数は6年前に比べて3倍以上になった」とポポワ長官は言う。「親が子どもたちに対し、食べ過ぎや不健康な食生活がなぜ体に良くないのかをうまく説明できていないのに加えて、親自身が子どもたちの目の前で、芳しくない食習慣を続けているのが問題です」。

 健康問題に詳しい専門家たちは、ロシアにおける肥満問題は悪しき食習慣と関係していると説明する。栄養生物工学調査研究所のアンゲラ・タラセンコ研究員によれば、ロシア人は塩、砂糖、脂肪分の摂取が多く、食物繊維や良質なタンパク質、自然食品の中の有効成分の摂取が不足しているという

 またそれに加えて、ロシア人は全体として運動量が少ない。「食べる量は多いのに、運動をしない。それによりこのような結果になっているのです。加えて、質の良い睡眠も重要です。熟睡している間に、脂肪燃焼ホルモンが分泌されるのです。多くの人はストレス解消のために食べ、それが太る原因になっています」。

 2017年、ロシア政府は健康的なライフスタイルを促進するためのプロジェクトを立ち上げた。健康的な生活を送る人の数を2025年までに36%(2017年)から60%に、またスポーツをする人の数を34%から45%に引き上げたい考えだ。肥満、そしてアルコール依存や薬物依存を撲滅するため、政府はソーセージやファストフード、炭酸飲料、チップスなどのテレビコマーシャルを制限し、より明確な食品ラベルを推奨していくことなどを検討している

ロシアの肥満問題はアメリカよりもひどいのか?

 ロシアは肥満率において世界ワースト1というわけではない。しかしながら、肥満をめぐる状況は十分に懸念を呼ぶものである。世界保健機関の発表によれば、2016年には19億人の成人が過体重、そのうちの6億5,000万人が肥満であるとされている。

 2016年、ロシアは成人の肥満率ランキングで世界70位(23.1%)、一方のアメリカは12位(36.2%)であった。ちなみに、このランキングで上位を占めているのは、太平洋に浮かぶ島国、ナウル(61%)、クック島(59.9%)、パラオ(55.3%)であった。

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