ロシア最古の旅客船N.V.ゴーゴリは今でも現役だ。2019年には建造108周年を迎える。
1911年に進水したN.V.ゴーゴリは、建造以来ずっと、ロシア北部のヴォログダ―アルハンゲリスク間の数十の小さな町を結ぶ河川で活躍してきた。
N.V.ゴーゴリは2つの帝国の崩壊と新生ロシア国家の誕生とを目撃した。船は改名されることが多いが、この蒸気船は一度も改名されることなく、現在まで偉大なロシアの作家ニコライ・ゴーゴリを記念した船名を保っている。ゴーゴリは幽霊話や風刺に富んだ散文を書いたことで知られ、彼の作品は今日でも広く親しまれている。
ロシア内戦(1917-1922)の間、この船は軍の輸送船や水上病院として用いられた。第二次世界大戦でも同じ役割を果たした。
1972年、当局がN.V.ゴーゴリをスクラップ工場に送ることを決め、船は解体の危機に瀕した。だが幸い、ズヴョズドチカ船舶修理工場の労働者の休憩施設として再利用されることになり、難を免れた。
一年間水上休憩施設として利用された後、船は旅客輸送の任務に復帰した。作られてからかなりの年月を経ていたものの、N.V.ゴーゴリはロシアの河川で十分に運行を続けられるほど良好な状態にあると当局が判断したためだ。
ロシア最古の船は修理を必要としてきた。最も大きな修繕がなされたのは1990年代の半ばだ。設備が最新化され、船室は新しく心地の良いものになった。
今日、N.V.ゴーゴリには29室(うち2室は豪華仕様)の船室があり、最大53人の乗客を収容できる。
この蒸気船を利用した有名人にスウェーデン国王カール16世とシルヴィア王妃がいる。国王夫妻は2001年にこの船でクルーズを楽しんだ。
ロシアで活躍するベテラン船はN.V.ゴーゴリだけではない。ロシア海軍はコムーナという104歳の生きた化石を所有している。この船は今でも潜水艦救難艦として黒海で現役で活躍している。
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