彼女の描くキャラクターは(実際みんなそうなのだが)醜く太っていて、みじめに見えるのだが、愛さずにはいられない。そして理解できる。
エヴァ・モロゾワは、ノヴォシビルスク(モスクワの東、3,300キロ。ロシアで3番目に大きい都市)出身の若手芸術家で、2013年、日常生活をユーモアと皮肉を交えておもしろおかしく描き始めた。その絵はちょっと変わっていて、キャラクターの多くは太っていて、鼻が大きい悲しげな人々だ(猫でさえそのように描かれている)。それでも彼らはとても陽気だ。
「毎日の生活をちょっとジョークにしたかっただけ。心に浮かんだ面白そうなことを何でも描いているわ」。モロゾワはインタビューで肩をすくめる。「絵のスタイルはカリカチュアとミニマリズムで、学生時代から太っちょを描くのが好きだった。どの絵にもそれぞれ独特の雰囲気があって、あるものは悲しげで、別のものは憂鬱そうだったり、お茶目だったり、サイケだったり、どんなものでも」。
ここに最高のものをいくつか紹介する(選ぶのは難しかったが)。そう、みんな毎日仕事に行かなくてはならない・・・。
1.「別に大したことはない。ただ人生という名の操り人形使いがイーゴリを今日も仕事に行かせているだけだ」。
でも、もちろん仕事に行きたい人なんていない。
2.「自分の余暇を死守せよ、若者よ!」
上司:アリョーシャ、これが新しい仕事の書類だ。
アリョーシャ:えい、あっちへ行け。
皆、真の魔法がかけられる金曜が来るのを楽しみにしている。
3.「やつらはどこに飛んで行くんだ?彼らは酒盛りに行くんだ。」
金曜日は昔の仲間に会う日なんだ。
4.「生ビール:アリョーシャ、こんにちは。
アリョーシャ:生ビール君、一週間ずっと会いたかったよ。
*ほんとはアリョーシャの言っていることは決して正しくない。
彼らは平日にも何回も会っているのだ」
そう、ビールはモロゾワの絵によく出てくる。
5.「いとも簡単に心変わりするある男の悲劇的で信じられないお話
―ビールを飲み行かないか?
―馬鹿なことを言ってるんじゃない。これから、この書類に訂正をいれてやり直さなければならないんだ。
―そんなことを言ってないで、行こう。
―よし、分かった。行こう。
ビールには何か重要な科学的事実もあるのだろう・・・」
6.「ペンザ市のある調査グループが、鼻の大きい人は小さい人よりビールが飲みにくいことを発見した」。
しかし、また気持ちを強くして自信をもって、仕事には行かなくてはならない。(そうでないと、リスクを抱えて仕事をすることになる)
7.「う、うるさい!
上司:この横断幕を見ているとネガティブな連想をしてしまう。もっと、カラフルで陽気な色合いにしたらどうだ。
デザイナー:うるさい」
そして、再び楽しい楽しい週末が来た。これが生活のサイクルだ。
8.「スタシクとエゴールは金曜日への馬跳びを始めた。あなたも遅れを取らないで。」
そうすれば、もうやめられない。
9.「別に変わったことはない。オレグがただベニバラウソに変身して、オフィスから飛んで出て行こうとしているだけだ。」
(オレグ、それはできない。もうすっかり人間の体の中に入り込んでいるのだから)
それともあなたは、できる?
10.「上司: ワレーラ、頼んだ書類をコピーするのを忘れただろ!
龍:ケツをコピーさせたら?
ワレーラ:自分のケツをコピーしろ、この馬鹿!
太陽:一体、また、なにをやってるんだ、このピエロども・・・」
でも普通、こんなことはできない。人生とはみじめなもので、時に猫にさえ蔑まれるのだ。
11.「この猫の名前はネコ。この猫はわざと猫用トイレで用を足さない。飼い主がダメな奴だと分かっているから。
ネコ:拭いてね」。
そして年をとっていくのである。
12.「なんてことはない。イゴリョークが去りゆく若さにサヨナラしているだけだ」
イゴール:バイバイ
若さ:バイバイ
太陽:分かっているよね、イゴール。君はもう年をとったのだよ。
花々:年寄、年寄。
しかし、人は自分の威厳にしがみつくものだ!
13.「左側の男:キミは太ってるね。
右側の男:いや、僕は大物なんだ。
コメント:大物さを何か別のものと勘違いさせてはいけない」。
14.「太陽:おやまあ、一体何を着ているのだ?
男:ああ、30歳のコンテントマネージャーを肉体を身に着けているだけだ。気にしないで」
ああ、どうしたものか。時は過ぎ、今はもう冬なのだ」。
15.「なんてことはない。エゴールは雪のついた木々の陰に隠れて、冷酷に過ぎていく時間から逃れようとしているだけ。
(それは無駄なことさ、エゴール)」