ウラルの眠れぬ夜:最近30年で地域最大の地震

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 「私は隕石を見た。竜巻も見た。そして今度は地震も見た。次は何かな?」。チェリャビンスク市に住むユリア・ミルサノワさんは、ツイッターにこう書いた。

 95日の夜、地震の安全地域であるはずのチェリャビンスク州で、マグニチュード5.4の地震が起き、住民に衝撃を与えた。

 ロシア科学アカデミー統一地球物理学局の報道によると、震源は、ウファ市東方133㎞のカタヴ・イワノフスキー地区の地下10㎞だった。本震の震度は6.5。これに続いて余震が7回起きた。

 ちなみに、ロシアで使われている震度階級は、「メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級」で、IからXIIまでに分類される。震度VIは、本棚から本が滑り落ちることもあるという程度だ。

 ロシア非常事態省のデータによると、死傷者はなく、重大な損壊もないが、住民はこういう事態にまったく用意ができていなかった。

 「住民は眠れず、ひどく脅えていた。こういう状況でどう行動すべきか教えられていなかった。もっとも今のところは、手持ちの知識、常識で事は足り、重要書類を持って屋外に出た。近親者のもとへ行った者もいた。そして夜が明けるのを待った。これは自然現象だったから、緊急時の警報はなかった。しかし通常は、雷雨の前でさえ、メッセージがすべての人に送られてくるのだが――それも何度も。ところが今回は?人々はお決まりのパニックだ」

 カタヴ・イワノフスク市のガリーナ・フェドセーエワ市議会議長は、ソーシャルネットワーク「フ・コンタクチェ」にこう書いた。チェリャビンスク州のこの小都市は、震源に近かった 

 水曜日の夜は、地震がらみでチェリャビンスク州住民から緊急サービスに600回以上の通報があった。カタヴ・イワノフスク市では、市営病院で避難が行われた。壁に亀裂が走ったためだ。以上は、同州のエヴゲニー・サフチェンコ社会安全担当大臣がロシア通信に伝えた

 「人々は、こういうことに慣れていないので脅えた。ロシアの大部分の地域(中央ロシアのほとんど)は、地震の安全地域だ。つまり、ロシアで使われている震度階級でV以上の地震はないはずだ。ところがこんなことになった。人々が怖がったのも当然だ」

 こう話すのはエヴゲニー・ロゴージン教授だ。彼は、連絡予知センター長で、ロシア科学アカデミー地球物理学研究所・地震予知室長。

 ロシアで地震活動が活発なのは、北カフカス、極東、クリル諸島(千島列島)、カムチャツカ、サハリン、バイカルおよびアルタイ・サヤン地域、サハ共和国北部だ。ここでは震度VIIIX地震が起きる危険が大。

30年に一度

 ゲンナジー・ニグメトフ氏は、全ロシア非常事態研究所主席研究員で、ロシア地震予知専門家委員会副委員長だが、その彼によると、チェリャビンスク州の強い地震に先立ち、クリル諸島で深い地震があった。これが、ウラルの自然災害を引き起こした可能性がある。 

 「この地震の前に、クリル諸島で深い地震があった。一部の地震学の権威の考えでは、地球のマグマでの深い地震がときどき地球表層部の地殻で地震を引き起こす。今回、我々がチェリャビンスク州で目にしたのはこれだ」。ニグメトフ氏はこう述べた。

 「アメリカの地質学者によると、チェリャビンスク州では、マグニチュード4.5以上の地震は過去30年間発生していない。チェリャビンスク州北東部でマグニチュード4.5の地震が起きたのは、1990年のこと」。ニグメトフ氏は指摘し、こう付け加えた。このことから、「30年ごとの頻度で、マグニチュード4以上の地震が発生する可能性がある、という大まかな結論が引き出せる」

 モスクワ大学地質学部のニコライ・コロノフスキー教授(動態地質学講座の講座主任)によれば、今回のチェリャビンスク州の地震は中規模である。

  この程度の地震が深刻な被害をもたらし得るのは次のような場合のみ。すなわち、地震関連のリスクが建物、とくに工業用建造物において考慮されていないケースだ。

 ロシアでは、設計と建設の際に、2015年にエヴゲニー・ロゴージン教授率いるロシア科学アカデミー地球物理学研究所のスタッフによって作成された、地震帯の全国図に基づく。

 チェリャビンスク地震の震源は、震度VIの地震が起きるリスクが高い地域にあった。

 「厳密に言えば、我々の地図によれば、昨日の地震の場所と規模は予想されていたと言っていい。だがいつ起きるか、その時間を予測するのは別問題で、不可能な話だ。このレベルの地震が起きるはっきりした予兆は、科学には知られていない」。ロゴージン教授はこう付け加えた

  ウラル連邦大学・自然科学研究所・天文学・測地学科のユーリー・ハチャイ教授によると、近い将来起き得る地震の場所と時間を予測するためには、予兆となる前震を見逃さないことだ。

 「だが、ウラルの地震観測網は極めて大ざっぱで、実際にはあまり観測されていない。つまり、十分詳しくは行われていない。なぜなら、この地域は常に、地震がほとんどないと考えられてきたから。そのため、前触れなしに強い地震が起きる可能性がある。これを事前に予測するのは非常に難しい」。ハチャイ教授はこう結んだ

 にもかかわらず、ロシアの科学者たちは、一致してこう考えている。次に同程度の地震がウラルで起きるのは100年も経ってからだろう、と。

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