1. ペテン師のように(超安全)
この方法は、酔いたくない人にお薦めだ。そう、そんなことが可能なのである。先にボリューム満点の料理を胃袋いっぱいに食べておくように。パーティーの前にウォッカを50グラムほど飲んでおこう。これで後から入ってくる酒に対して体の準備が整う。
夜を通して、30分おきに40グラムずつ飲み、バターを塗った蒸し焼きジャガイモ、葉物、ニシンの酢漬けなどのつまみを食べることも忘れずに。酒が注がれる間に、少なくとも4リットルのクランベリージュースかお湯を飲むようにしよう。そうすれば翌朝爽快に目覚められるはずだ。
2. ロシアのツァーリのように(安全)
18世紀後半の女帝エカチェリーナの治世、ウォッカは上流階級の飲み物として広く認識されていた。今日、ウォッカは飲み得る酒の中で最も純粋なものと考えられている。
ウォッカの専門家によれば、この酒は高級なつまみの良さを最大限に引き出すと言う。パーティー参加者に出される定番の品は、軽く塩漬けしたサーモンのスライスや、レモンの果汁をかけてチャイブかハーブをまぶしたマスのスライスだ。バターとイクラないしはキャビア、イノンドと一緒に、小さなタルトが供されることもある。だが最近のレストランはウォッカを飲むネオ・ロイヤルな方法を考案した。魚のスライスや小さじ一杯のキャビアを、酒を注ぐ前のグラスに入れておくのだ。奇妙な味わいだが、ツァーリのような気分にはなれるはず。
3. 本物の共産主義者のように(かなり安全)
ご心配なく。赤いネクタイを付けたり、ベッドの上にレーニンの肖像を掛けたりする必要はない。だが、イワシの油漬けやハゼのトマトソース漬けの缶詰、黒パンの塊、それから古き良きカットグラスと来れば話は別だ。
魚の缶詰は常にナイフで開けるようにしよう。必ずだ。皿のことは忘れて、フォークを手に、缶から直接食べよう。黒パンの塊をナイフの刃を拭うのに使い、厚めに切り分けよう。ウォッカはグラスの底から約1インチの高さまで注ぐようにしよう。
4. ロシアの田舎者のように(ふつう)
この飲み方をすれば晩までにほろ酔い状態になるが、上手く行けば朝の目覚めは爽快だろう。ウォッカを口にする前に、その温度を確かめよう。程良く冷えている必要がある。10度を上回っても下回ってもならない。ご存知の通り水とアルコールの氷点は違うので、あまり冷やすと純エタノール液を飲むことになりかねない。
香り立つ厚いパンを用意しよう。「ボロディンスキー」というパンがお薦めだ。グラスに50グラムのウォッカを注ぐ。パンの香りを吸い込み、大きな声と共に吐き出そう。第一に、こうすることで、一般的なロシア人男性のように見える。第二に、これでアルコールたっぷりの呼気を追い出すことができる。ウォッカを素早く飲み、再びパンの香りを嗅いでかぶりつこう。はい、よくできました。
5. ロシアのジェームズ・ボンドのように(平均以上)
ジェームズ・ボンドが愛されているのは英語圏だけではない。彼はロシアでもよく知られている。さて、スパイの気分になるには、60~90グラムのウォッカと30グラムのベルモットが必要だ。ところでボンドの飲む酒のイメージとは異なるかもしれないが、このカクテルは振るかかき混ぜるかして飲むことをお薦めする。凍らせる前の製氷皿にオリーブの実を入れておくと、さらに洒落た味わいが楽しめる。
6. 熟練の飲み手のように(危険)
タフなカクテルを作るには、同じ味のお菓子60個をシェーカーに入れ、180グラムのウォッカを加える。アルコールがお菓子と同じ色になるまで振り続ける。数時間冷蔵庫に寝かせる。カクテルを濾して、クマ形のグミを用意する。丸々1パックをパンチボウルに入れ、マーマレードを加え、色のついたウォッカを注ぎ込み、2日間マリネにする。数日間は働かなくて良いことを確認した上でこれを飲むようにしよう。
7. 酒の味も分からないほどに(とても危険)
ウォッカ通はよく、良い麦で作った酒は程良く滑らかで少しフルーティーな味がするなどと言う。それで甘く新鮮な味がよく合うのだ、と。フィンランドやロシアのブランドの多くが、甘党のためにバニラ、アップル、チェリー、さらにはチョコレート味の専用シロップを開発している。アイスクリームと一緒に賞味するよう薦められている。だが率直に言って、こうした酒は高い。代わりに一般的なウォッカに砂糖を加えるのが良いだろう。苦味とともに財布の穴も小さくしてくれる。
8. 自暴自棄に陥った人のように(命に関わる)
この飲み方は、一刻も早く酔ってしまいたいパーティー参加者のためのものだ。3~4分おきに少量(約30グラム)ずつ飲もう。食前酒や水は弱者の飲み物だ。真の起爆剤として同時に2本のタバコを吸うと良いだろう。意識を失うまで続けよう(20分程度で到達するはず)。
朝に備えてイブプロフェン(頭痛薬)と活性炭、ミネラルウォーター3本を買っておくように。健闘を祈る。