ロシアに仰天:スティーブン・セガールはプーチンと友人でキャビアが大好き

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 有名なアメリカの俳優で武道家のスティーブン・セガールについては紹介するまでもないだろう。1990年代のアクション映画で知られる彼は今日、ロシア訪問のことでニュースになることが多い。彼は、自分をプーチンの友人と名乗り、ロシア政府とアメリカ政府をつなぐ非公式の仲介者として名を挙げられている。

ロシアのルーツ

 スティーブン・セガールは自分のことをロシア人だと見なしている。「俺はロシア人だって言えるよ。俺にはロシア人の家族がいるんだ。ロシアを愛しているし、誇りに思っている」と彼は2014年に言っている。セガールは、自分のルーツはロシアにあり、極東ロシアの血をひいていると主張する。「俺の父方の家系は、ウラジオストク出身なんだ」。そして2016年からは、ウラジーミル・プーチン大統領によって私的に与えられたロシアのパスポートを持ち、自身の「ロシアらしさ」を証明している。

 彼のロシアへの愛情を、もっと詳しく問いただそうとした執拗なロシア人ジャーナリストによるインタビューが掲載されると、セガールは、本当の戦士のように激しく反撃した。「アフリカが好きな人もいれば、メキシコが好きな人もいる、蛍光色が好きな人もいる……。俺は単にロシアが好きで、そう言うことを何も恐れてないだけだ。他にも好きな国はあるよ。日本が好きだし、それを恥ずかしく思う理由もない。日本では誰も、“あいつは何かが欲しくてここに来ているんだろう”なんて言わないだろうしね。そんなことを言うやつらは、ただのバカだよ」。

 「ロシアに対する俺の愛が、ただ単に、地形が美しいとか、風景が美しいとか、あるいは、建築が美しいとかいう理由じゃないことは明らかだ。本質的に、ロシア人が世界でいちばん偉大な民族のひとつだということと関係があるんだよ」とセガールは語った。ロシアへの愛情はまた、部分的に、ロシア料理に対する彼の愛着にも理由があるようだ。「これは言いたくないんだが、キャビアが大好きなんだ。ペリメニも大好きだ。シャシュリクも大好きだし、ボルシチも大好きなんだよ」。

 

地元の殺し屋役たちと対決

 いくつかのインタビューで、セガールは、ロシアでビジネスをする計画があったことに触れている。例えば、チンギス・ハンについての映画制作の話があった。また、彼は、そのたくましい男のイメージを利用して、ロシアの携帯電話会社のCMに登場している。

  あるCMでは、舞台は冬で、毛皮の帽子と毛皮のコートを着たセガールに殺し屋たちが近づいていく。彼らが脅しをやり終えないうちに、セガールは彼らを制止し、携帯電話のオンライン翻訳を使ってこう言う、「柔らかい雪が、足の下で、私の敵の骨のようにバリバリと音を立てています」。「おい、こいつは俺たちの仲間だぜ」と殺し屋たちは言いながら後ずさりしていく。このCMは、セガールがロシアの市民権を得てからすぐに制作された。

 別のCMでは、セガールは渋滞に巻き込まれている。セガールを下ろしたがっている無礼なタクシー運転手にたいして、「俺はあんたをきちんと、でも強く殴るだろうよ」という、ソ連で人気だったコメディー映画の有名なセリフを言って返すのである。

 

セガールとプーチンは兄弟なの?

 セガールはプーチン大統領の大ファンだ。「俺は彼を友人だと思っているし、自分の兄弟にしたいくらいだ。彼はきちんとした男で、約束を守る人だ。俺にとってとても大事なことは、世界の大部分の指導者たちと違って、彼が自分のことや自分のイメージのことを考えているんじゃなくって、むしろ逆に、自分の国と国民に関心があるということだよ」と、2014年のインタビューでセガールは言っている。

 別のインタビューで彼は、1980年代後半と1990年代のロシアの状況を思い出しながら、「プーチン大統領を偉大な指導者だと認めている」と述べている。

 「俺がロシアにいたときは、食べ物やお金がなくて、一般の人たちが苦しんだり亡くなったりしていたんだ…。俺はロシアがぼろぼろになっていくのを見たんだよ、そして、ウラジーミル・プーチンが、壊滅的な状態にあった国を引き受け、失業者がほとんどいない経済大国にしたのも見たんだ。ロシア人は豊かな国民だよ。ここの人たちは豊かに暮らしている。それはプーチンの功績なんだ。他のリーダーには、こんな成果を出すことは難しかっただろう。これが俺がロシアを愛する理由なんだ」。

 プーチンとセガールの密な関係が再び見られたのは2015年の9月、二人が、ウラジオストクに建設中のオセアナリウムを訪れたときだった。そこには、中国の高官も同席しており、プーチン大統領は彼をセガールに紹介して、「これはわれわれの友人だよ、中国の副首相だ」と言った。

 セガールも中国高官の友人になったのかどうかは分かっていないが、軍需産業と宇宙産業を担当しているロシアの副首相ドミトリーロゴージンとは良い関係にあるようだ。少なくとも、ロゴージンはロシアで開催されるイベントにセガールを招待しており、その最近の例として、数日前に、セガールがモスクワの宇宙探検博物館を訪れたことがある。

 

ブギーマン

 2015年には、モスクワが、セガールをカリフォルニア州とアリゾナ州の名誉ロシア領事に任命しようとしているという噂が流れた。上述のように、「ホワイトハウスとクレムリンの仲介人候補」としてである。バズフィードによると、当時のバラク・オバマ大統領は、この提案に「唖然とした」そうだが、その報告を公式に裏付けるものはなにもない。

 こんなことがそのときに起きていたんだとしても、セガールはきっと、オバマ氏の否定的な反応についてはそれほど気にしなかっただろう。というのも、セガールはブギーマンだという評判を嫌がったりしないからだ。少なくともそれは、彼があるロシアの歌手と一緒に録音した曲のタイトル―「ブギーマン」だったのだから。

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