ああ物価高!…
不動産会社「インコム」の情報によると、都心のアルバート通りに位置するこの部屋は、面積はわずか12平方メートルで、8階建ての建物の4階にある。
この類の物件にはしばしば莫大な価格が付いているが、別に驚くことはない。モスクワでは価格が急上昇し、各種物件の価格にも、どんどんギャップが広がっているからだ。インコムによれば、南西部の最近モスクワに編入された地区なら、150万ルーブル(約260万円)だ。こういうギャップは大都市の一般的な傾向だろう。
「Lenta」ウェブサイトによると、サンクトペテルブルク郊外では最近、200万ルーブル(340万円)の部屋が売り出されたが、その面積はたったの3平方メートル!
これが不動産市場をめぐる現実というものだ。モスクワ市内の最も高価な部屋は、首都のすぐそばの最も安いワンルームマンションより15倍も高い。
ソ連時代にさかのぼる伝統
こんな価格は、何十年分の家賃に相当する。それを考えれば、いったい誰がアパートの一部屋だけを買って、ほかの住人と共同生活するのか(あるいはそれを望むのか)。
ロシア・ビヨンドは調査を試みたが、こういう“ゴージャスな”共同生活の例は、世界の他の国には見当たらなかった。これはロシア独特の現象で、ソ連時代の共同住宅「コムナルカ」の名残のようだ。
弊紙は以前、これについて詳しく書いた。つまり、共同生活がロシア人にとって何を意味するかだ。誓ってもいいが、これは我々ロシア人が再び戻りたいと思うような状況ではない。
たくさんの部屋と住人たち、ホールに浸みこんでいる調理油の匂い、朝のバスルームの順番待ち、騒々しいルームメイト…といったことがすぐ頭に浮かぶ。
基本的には、これは学生たちの寮生活みたいなものを連想させるかもしれない。とにかくソ連時代には、政府によってその部屋が与えられていたわけだが、今や、ざっと2400万円も払ってそんな部屋を買う状況になっている。