金:アイスホッケー、男子
「赤い軍団」ロシアの活躍は驚天動地だった。とくに、世界最高峰の北米プロリーグ「NHL」がシーズン中で、最強のメンバーが試合から抜けられず、プレーできなかったことを考えればなおさらだ。
決勝で、ロシアはドイツをオーバータイムで4:3で下し、金メダルを獲得した。「赤い軍団」ロシアが冬季五輪で金メダルをかけて戦うのは、最近20年間では初めて。このとき、1998年の長野五輪では、チェコに敗退し、金メダルを逃していた。
金:女子フィギュアスケートシングル:アリーナ・ザギトワ
15歳のアリーナ・ザギトワは、平昌冬季五輪でオリンピック・デビューを果たすと同時に、女子シングルでの華麗な演技で世界のハートを掴んだ。ショートプログラムとフリーで合わせて世界歴代2位の239.57点を獲得し、チームメイトで主なライバルであるエフゲニア・メドベージェワ(238.26)と、カナダのケイトリン・オズモンド(231.02)を上回った。ザギトワは、団体でも銀メダルを獲得した。
銀:女子フィギュアスケートシングル:エフゲニア・メドベージェワ
メドベージェワの驚異的なパフォーマンスは、観客と審判の記憶に長く残るだろうが、若きチームメート、ザギトワに勝つには十分ではなかった。しかしメドベージェワはショートプログラムで世界記録を樹立し、団体でも銀メダルを得た。
銀:フィギュアスケート、団体
ミハイル・コリャダの演技は悔いを残したが、それでもロシアのフィギュアスケーターは団体で銀を獲得。エフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、エフゲニア・タラソワ、ウラジーミル・モロゾフ、ナタリア・ザビヤコ、アレクサンドル・エンベルト、エカテリーナ・ボブロワ、ドミトリー・ソロヴィヨフの演技は見事だった。エフゲニア・メドベージェワはSPで81.06点を獲得し、新記録を樹立。
銀:スケルトン――ニキータ・トレグボフ
ニキータ・トレグボフは、2014年のソチ五輪がオリンピックデビューで、このときは6位だったが、今回の冬季五輪では2位。昨年の世界選手権では3位だった。
ちなみに、ロシア選手がスケルトンでメダルを獲得したのは3回目。アレクサンドル・トレチャコフが2010年バンクーバー大会で銅メダル、2014年ソチでは金メダルを得ている。
銀:クロスカントリースキー、男子 4 x 10 kmリレー
クロスカントリースキーで「OAR」(ロシアからの五輪選手)は不可能を可能にし、ファンを驚喜させた。若いスキーヤーたち(1989~1996年に生まれている)、アレクサンドル・ボリシュノフ、アレクセイ・チェルヴォトキン、アンドレイ・ラリコフ、デニス・スピツォフは、わずか10秒差でノルウェーに次ぎゴール。
銀:クロスカントリースキー、男子団体スプリント:アレクサンドル・ボリシュノフとデニス・スピツォフ
この2人のスキーヤーは、ロシアのヒーローで、合計7つのメダルを獲得している。しかし、男子団体スプリントではノルウェーが優勝した。
銀:クロスカントリースキー、男子50㎞クラシック: アレクサンドル・ボリシュノフ
競技最終日に4つ目のメダル(銅)がアンドレイ・ラリコフによって獲得された。
銅:クロスカントリースキー、男子スプリント:アレクサンドル・ボリシュノフ
21歳のアレクサンドル・ボリシュノフは、多種目で銀メダルを獲得した後、イタリアのフェデリコ・ペレグリーノに0.2秒差で銅メダルとなった。
銅:クロスカントリースキー、男子 15 km フリー:デニス・スピツォフ
一方、やはり21歳のクロスカントリースキー選手、デニス・スピツォフは、やはりノルウェー勢との接戦の末、3位となった。
銅:クロスカントリースキー、女子 4 × 5 km リレー
男子の成功に続きロシアの若い女子スキーヤー――ユーリア・ベロルコワ、アンナ・ネチャエフスカヤ、ナタリア・ネプルガエワ、アナスタシア・セドワ――もまた、ノルウェーとスウェーデンの選手以外には譲らなかった。
銅:クロスカントリースキー、女子スプリント:ユーリア・ベロルコワ
23歳のロシア美人、ユーリア・ベロルコワは、団体で銅を獲得する前に、女子スプリントで3位になっていた。1位と2位はノルウェーとスウェーデン。「この夜私は眠れなかった。私の銅メダルがここにある」。彼女はレース後インスタグラムに投稿した。
銅:スピードスケート・ショートトラック:セミョン・エリストラトフ
2014年ソチ五輪のスター、ヴィクトル・アン(安賢洙)は、今回の冬季五輪への出場を許されなかった。そのチームメート、セミョン・エリストラトフ(ソチ五輪の5000mリレーで金)は、今回は、韓国とオランダに次いで3位。
銅:スピードスケート:ナタリア・ヴォロニナ
ソチで金2冠のオリガ・グラフは、ドーピング検査を通過したにもかかわらず、平昌に参加できなかった。だから、女子スピードスケートへの期待はあまり高くなかったが、今回がオリンピックデビューとなったナタリア・ヴォロニナ(23歳)はサプライズで、女子5000mで3位になった。
銅:フリースタイルスキー(エアリアル):イリヤ・ブロフ
3つの隣国同士――ウクライナ、ロシア、ベラルーシ――は、テレビを通して、 フリースタイル決勝でのメダルをかけた戦いを、勝利を祈りつつ、固唾をのんで見守った。2人のロシア選手がメダルの可能性があったが、残念なことに、パーヴェル・クルトフは最後の技で転倒し、中国の賈宗洋に抜かれた。その結果、ウクライナが1位、ロシアのイリヤ・ブロフは3位となった。
銅:フリースタイルスキー(スキークロス):セルゲイ・リジク
25歳のリジクは最近フリースタイルスキーを始めたばかりだが、2015年ワールドカッでは2位になった。しかし、今回の五輪直前、彼は重傷を負い、2つの脊椎を置換したが、五輪までに回復することができた。
銅:クロスカントリースキー、男子50㎞クラシック:アンドレイ・ラリコフ
ロシア選手はこの種目で二つのメダルを獲得。アレクサンドル・ボリシュノフは銀、アンドレイ・ラリコフは銅。
銅メダルはく奪:カーリング混合ダブルス:アナスタシア・ブルイズガロワとアレクサンドル・クルシェルニツキー
カーリング混合ダブルスが五輪種目となったのは今回が初めてで、アナスタシア・ブルイズガロワとアレクサンドル・クルシェルニツキーが銅メダルを獲得。アナスタシアは欧米のメディアを魅了し、その美貌をアンジェリーナ・ジョリーに比べられたりしている。
だが表彰の直後に、ドーピング検査でクルシェルニツキーの検体から禁止薬物のメルドニウムが検出されたとして、彼は失格処分に。メダルはノルウェーのペアに渡った。ロシア・オリンピック委員会(ROC)のスポークスマン、コンスタンチン・ヴィボルノフは、アレクサンドルが故意に禁止薬物を摂取したとは信じ難いと述べた。
女子テニスのマリア・シャラポワなど幾人かのロシアのスポーツ選手は、過去にメルドニウムを摂取したとして、ドーピング問題が生じていた。