ロシアで避けるべき(恵み方を見直すべき)5種類の物乞い

 困っている人を助けるのは良いことだが、ロシアでは物乞いの計略にはまってせっかくの施しが台無しになってしまうことがある。詐欺から逃れ、より良い布施の方法を見出せるよう、いくつかアドバイスを用意した。

 ロシアの街頭では十中八九誰にも金銭を与えないほうが良い。貪欲さの問題ではなく、こうした物乞いの多くがペテン師か、少なくとも信用ならない人物だということが問題なのだ。例を挙げよう:

 

1. プロの物乞い 

 通行人から助けを乞う人々は、さまざまな装いをして街頭に現れる。“手術の金が必要な”哀れなおばあさん、軍服を着てしばしば四肢のいずれかがない“退役軍人”、妊娠中か赤ん坊を抱いている女性などだ。細かな点は違えど、パターンは同じだ。彼らは何か恵んでやらずにはいられないほど無力に見える。

 しかし、こうした人物の正体はその自称とは異なることが多い。社会支援ウェブサイトのタキエ・デラー(“そういうものだ”)が主張するように、彼らは“物乞いマフィア”の一味かもしれない。その場合、彼らは集めた金を“保護者”に渡し、その“保護者”に需要を満たしてもらっている。これは犯罪と密接につながったビジネスで、それに加担するのは賢明ではない。 

アドバイス:そうした人々を助けたい気がしたら、金銭授与以外の方法で実行すること。金銭の代わりに彼らが必要だと言うもの(食べ物、家に帰るためのバスや電車の切符など)を与えよう。彼らがもし本当に困っているなら、あなたの援助を受け入れるだろう。詐欺師なら受け取らない。

 

2. ホームレス

 大きな街で寝る場所も食べるものもなく孤独に過ごすというのは考えるだけで恐ろしい。したがってホームレスに同情するのはごく自然なことだ。特にロシアの凍てつく冬には。しかし、これはホームレスに直接金銭を与えるもっともな理由にはならない。 

 要求された金が食料に使われるとは限らない。ホームレスの多くは酒癖が悪く、手に入れたあらゆるもので新たな酒を乞うのに使うだろう。これは危険を伴う。冬に屋外で泥酔すれば、ホームレスは意識を失ったり、凍死したりする可能性がある。

アドバイス:自分で食べ物を買ってホームレスに与えること。また、彼らに宿を提供したり社会福祉とつないだりしてくれる組織に連絡するのを手伝おう。

 

モスクワ:+7 (495) 720-15-08, +7 (903) 720-15-08(社会見回りサービス)

サンクトペテルブルク:+7 (812) 407-30-90(ノチレシカ、慈善組織)

 

3. “ボランティア” 

 一見尊敬に値するこうした人々は、若者であることが多いが、表面上は孤児院や動物保護施設の援助といった価値のある目的を掲げ、募金箱を持って公共の場に現れる。しかし彼らは本物のボランティアではない。せいぜい、寄付金の大部分を着服する疑わしい施設のために集金しているのである。またはそもそも“孤児院”が実在しないが、“ボランティア”として金を受け付けている人々がこの事実を知らないということさえある。 

 「真剣な慈善団体が街頭で通行人から現金を収集して資金を集めることはまずない」とタキエ・デラーは結論づける。このサイトは慈善基金プレダーニエ(“伝承”)の代表を務めるヴラジーミル・ベルヒン氏の次の発言を引用している。「こうした話は胡散臭く、参加すべきでない。」

アドバイス:見知らぬ人々に現金を渡す代わりに、確立した慈善団体を自分で選んで寄付しよう。傘下の慈善団体を支援している組織には、例えばフシェ・ヴメスチェ(“皆一緒に”)やヌジナー・ポーモシ(“助けが必要”)などがある。

 

フシェ・ヴメスチェ: +7 (495) 648-90-02; info@wse-wmeste.ru

ヌジナー・ポーモシ: +7 (495) 641-02-86; mne@nuzhnapomosh.ru

 

4. “動物愛護活動家”

 こうした人々は犬を小道具として使う。街頭やメトロの駅で犬を連れて歩き、しばしば“犬を養うお金が必要”または“動物保護施設のために集金中”などと書かれたボードを持っている。野良犬や捨て犬のための実際の保護施設の代表を務めるナタリア・ブィストロワ氏がアルグメントィ・ イ・ファクトィ紙に語っているように、「あれはビジネス・ネットワーク以外の何物でもありません。動物を使って金を乞う人々はもれなく詐欺師です。」

 なお悪いことに、こうした詐欺師らが詐欺の道具にする犬は、大人しくするように、また通行人に悲痛そうに見えるように、薬漬けにされていることが多い。

 

アドバイス:動物を連れた物乞いに金銭を与えないこと。身寄りのない動物を助けたいなら、モスクワを拠点とするPETのような、ある程度知られた慈善団体に寄付しよう。携帯電話(ただしロシアの電話番号を持つものに限る)で3443番に“СОбАКИ”(“犬”)とテクストメッセージを送り、寄付したい金額をルーブルで提示すれば良い。

 

5. 交通機関を利用するための金を求めてくる老人や子供

 もし誰かが近づいて来てバスやメトロに乗るために数十ルーブル必要だという謙虚な要求をしてきたら、注意してほしい。特にそれが高齢者や子供の場合だ。彼らが詐欺を働いているということではない。問題はこうした人々が、自分が何をすべきか、またどこへ行くべきか知らないかもしれないということだ。高齢者はアルツハイマー病やその他の認知症を患っている可能性があり、また子供は迷子になって別の助けが必要かもしれない。大きな街では彼らはどちらも危険に晒されやすい。

 

アドバイス:行き先を尋ねること。もし迷子になった様子なら、迷子の人々を捜索し、援助する非営利団体LizaAlertに連絡しよう(+7 (800) 700-54-52)。

 

*ロシアの社会問題をもっと知りたい場合は、最近起きたロシアの学校の襲撃事件を取り上げた我々の記事をご覧下さい。

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