なぜロシア人に24時間営業の花屋が必要なのか?

画像:ナタリア・ノソワ
 以下の4つの仮説は上の問いに明確な答えを示してくれる。人生には年中無休で開いている花屋が便利だと思う瞬間が誰にでもある。

 ロシアでは年中無休で24時間営業の花屋があまりにたくさんあり、なぜそれほど多くの24時間営業の花屋がロシア人に必要なのかと思う人もいるだろう。たとえば午前4時に花束を買いに来るような変わった人は一体誰なのか、そして何がそんな時間に彼らを花屋に向かわせるのか。

 

シナリオ“サプライズ”の場合

 一般的に、ロシア人は恋人を驚かせることにワクワクするような喜びを覚えるものだが、往々にして恋人というものは喜ばせるのに少々骨の折れるものである。そういうとき、24時間営業の花屋は便利である。

 スタニスラフ・カラシニコフさん(28)はモスクワの年中無休、24時間営業の花屋に一度大変お世話になったことがあるという。「もうすぐヴァレンタインデーというとき、僕は恋人に何か贈り物をして喜んでもらおうと計画していたんです。でもデートの前に彼女は僕の計画がなんなのかとても知りたがり、そのおかげで僕の計画は台無しになりそうでした。そこで僕は彼女の膨らむ好奇心を躱すためにヴァレンタインデーの直前に一計を案じることになったわけです。次の日の真夜中、僕はプレゼントを用意し、通りかかった24時間営業の花屋で素敵なブーケを買って、彼女のところに行きました。涙とキスの嵐、それはもうすべて上手くいきましたよ。これぞまさにサプライズと呼べるものでした」

 

シナリオ“罪深い夫”の場合

 長時間働いた日の帰り道のバスで昔の友人に会ったとする。彼はちょっと一杯飲みに行こうと誘い、その後、二杯、三杯と進んでしまい、多くの場合、妻が待つ家に時間通りに帰れなくなる。一方の妻は悲しみに沈んでいて、あなたが震える手に握りしめた花束が事態を好転させることはないかもしれない。しかし黙ってこの先起こることを受け入れるよりは死ぬ気でトライしてみるべきだろう。 

 ヴェニヤミン・トゥケソフさん(42)はロシア・ビヨンドの取材に対し、この話の主人公は頭がおかしいのではないかと疑うような話を披露してくれた。「学生のころ、ある友人が思いがけない大金を稼いだことがあって、それを祝おうと僕たちみんなを招いてくれたことがあるんです。夜も更けてきたころ、僕たちは彼が家までたどり着けるのか、そして奥さんがどんなリアクションをするのか心配になってきました。そこでみんなで彼を家まで送り届けようということになったのですが、途中で地元の24時間営業の花屋に寄りました。その後、彼は馬に乗っている人々を見て、それを貸してくれるよう頼み込んでね。彼は酔っ払って、馬に跨り、花束を手に帰宅したわけです。奥さんは猛烈に怒っていたけれど、しばらくして許してくれたようですよ」

 

シナリオ“責任感のある夫”の場合 

 ロシアには祝祭日がたくさんある。少なくともその3/4は女性を祝うものだ。当然ながら、普通のロシアの男性は花束を抱えて女性の素晴らしさを讃えることになる。しかしこの平凡なミッションも、何年も住まいを共にしていると信じられないほど難しいものとなる。妻は部屋の隅々まで知り尽くしていて、花束をこっそり買って、タンスに隠してもすぐに見つかってしまうからだ。

 モスクワ出身のアルカージー・ブィストロフさん(33)は、ロシア・ビヨンドの取材に対し、次のように話してくれた。「父は母の誕生日には必ず花を贈っています。朝の5時ごろ、まだみんなが寝ている間に父は起きて、24時間営業の花屋に行くんです。母が起きてくる時間にはもう花束が用意されているというわけです。24時間営業の花屋がなければけしてできないことですよね」。

 

シナリオ“素寒貧のカサノヴァ”の場合

 真夜中にほとんど一文無しで遠く離れた街にたどり着いたとする。ホステルに泊まる金もない。この知らない街にいる知り合いをなんとか見つけようと携帯を取り出し、電話帳をスクロールする。そうだ、ヴィオラ!!30年前に大学院生のパーティで会った女の子だ。うまく行きそうにない賭けではある。しかしそれ以外の方法となるとベンチで寝るしかなく、この賭けに出るほかないと確信するだろう。彼女に電話かショートメッセージをし、思い切って最後の300ルーブルを24時間営業の花屋で3本のバラに変え、今まででもっともロマンティックなアドベンチャーを期待するのである。

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