ソヴィエトのファッション:暗黒の時代を乗り越えるのを助けたファッションデザイン

P.フェドトフ撮影/TASS
 ソ連のファッションハウスは、63万人以上の人々が飢餓や砲爆撃によって命を落とした悲劇的なレニングラード包囲戦から解放された直後、廃墟のなかでオープンした。

 恐ろしい戦争の最中にファッションハウス以上に相応しくないものがあるだろうか?しかしこれはレニングラード市民の勇気と生き残ろうとした意思の証なのである。

 包囲網の中、人々はラジオや拡声器から聞こえてくるアンナ・アフマートワやオリガ・ベルゴリツの詩に耳を傾けた。厳しい試練の中でも、劇場、映画館、ジャズクラブ、図書館は閉鎖されることなく、苦しむ人々を励まし続けた。そしてナチスドイツ軍が撃退されるとすぐ、レニングラードの文化生活は新たな勢いと力で命を吹き返した。

 1944年4月、最初のソ連のファッションハウスがネフスキー大通り21番にあるメルテンス・ハウスにオープンした。1917年の革命以前、毛皮の店が入っていたビルで、現在はファッション・ブランドZARAの大型店舗となっている。

 ブレジネフ書記長の停滞時代、ソ連のファッションデザイナーたちは、カラフルな模様や洋服のサンプル、アクセサリーをデザインし、働く人々の気分を一新した。

 レニングラードを背景に撮影された最高のデザインをいくつかご紹介しよう。これらはソ連だけでなく国外でも紹介された。

フェイクファーのついた撥水加工の秋物コート 1970年
ロングスカートとウェスト丈ジャケットのツイードのスーツ 1970年
明るい色のスカーフのついたパンツスーツ 1970年
サマードレスと長丈のシルクジャケット 1970年
コートとイヴニングドレス 1968年
赤いベルヴェットの若者向けドレス 1969年
ロシア風モチーフのついたスーツとドレス 1969年
ファスナー付きレインコートと明るい色のリボンのついたドレス 1968年
エレガントなアンサンブル 1972年
レニングラードファッションハウスで披露されたプラチナキツネのコート 1982年
厚手のシルクとメリヤスで作られたエレガントなイヴニング礼装セット 1984年
旧海軍省近くの堤防で開かれたレニングラードファッションハウスによるレトロスタイルのファッションショー 1984年

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