血と抗議に満ちた帝政ロシアの革命絵はがき10選

 これらの小さな絵は反皇帝・反政府運動を勢いづけた。ここでは、1905年のロシア第一革命期に人々の間に広まった絵はがきの代表例をいくつかご紹介しよう。

 英国人作家・歴史家のトビー・マシューは、まだ若かった1990年代初期にロシアを訪れ、冷戦時代の土産品でいっぱいの露天市を注意深く見て回っていた。ソビエトのポスターなど、冷戦期を象徴する人気の品々の中で彼が見つけたのは、最後の皇帝の退位前にまで遡る反政府絵はがきだった。

 マシューは初期革命運動に捧げられたこれらの希少な品々を集め、内容や題目ごとに分類しながらその歴史を調査し始めた。長年の研究の集大成が、最近出版された著書『バリケードからの挨拶:帝政ロシアの革命絵はがき』だ。

 テレビが出現する遥か以前、安く簡単に印刷できる絵はがきは、皇帝に抵抗する勢力が政治メッセージを広める手段の一つだった。そのほとんどは投函されることなく、手渡しで回されたり、あるいは個人に保管されたりした。

 絵はがきには、政府の要人や皇帝の風刺画や血にまみれた路上抗議活動が描かれ、政府がいかに残酷に人々を扱ったか、「言論の自由」などのスローガンがいかに空虚なものだったかが表現されている。 

1.「10月18日のデモの終局」 作者不詳。発行状況の詳細不明。1905年末。

 2.「ボウリング・アレー」 作者不詳。発行状況の詳細不明。1905年末。ここに描かれているのは、内務大臣アレクサンドル・ブルイギン、警視総監ドミトリー・トレポフ、将軍アレクセイ・イグナチエフ、首相セルゲイ・ヴィッテ、聖務会院長官コンスタンチン・ポベドノスツェフ。

3.無題。作者不詳。砲弾のピラミッドに立つ警視総監ドミトリー・トレポフ。 1905年末。

4.「弾薬を惜しみなく使え」 作者不詳。警視総監ドミトリー・トレポフの風刺。1905年頃。

5.「読み耽る」 作家ゲオルギー・エラストフより。作者不詳。これはサンクトペテルブルクで初めて発行された皇帝ニコライ2世の風刺画である。1905年11月。

6.「言論の自由」 作者不詳。サンクトペテルブルク、1905年末頃。

7.「昨今の金を得る方法」 作者不詳。1906年頃。

8.モスクワ蜂起でバリケードを張る革命家たち。撮影者不詳。1905年末。

9.「ロシアの自由の太陽は血で汚れた」 作者不詳。サンクトペテルブルク、1905年末。

10. 「ロシアの自由の化学成分」 作者不詳。1905年末。

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