ニコライ2世とハリー王子はまぎれもない親類だ。ハリー王子は英国王ジョージ5世(1865~1936)の玄孫であり、ジョージ5世はニコライ2世の従兄だった(二人の母親はデンマーク王室出身で姉妹同士)。
サセックス公爵ヘンリー王子(ハリー王子)はメーガン妃との結婚式
Global Look Pressこの山本寛斎風に見えなくもない制服は、とても長い歴史をもっている。イギリスの近衛騎兵連隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズの制服で、その起源は17世紀にさかのぼる。
一方、ニコライ2世は1894年に、英ヴィクトリア女王の孫娘、アレクサンドラ・フョードロヴナと結婚した際に、歴戦の精鋭部隊、ロイヤル・スコッツ・グレイズ(第2竜騎兵連隊)の第1カーネル・イン・チーフに任命された。この制服は、ブルーズ・アンド・ロイヤルズのそれとよく似ている。
ニコライ2世は、ロイヤル・スコッツ・グレイズに非常な感銘を受け、そのカーネル・イン・チーフの正装の姿で様々な行事に臨んだ。そのなかには、皇帝夫妻の1896年のスコットランド・バルモラル訪問も含まれている(写真)。
英ヴィクトリア女王の孫娘アレクサンドラ皇后(左側)、ニコライ2世、ヴィクトリア女王(中央)、アルバート公。バルモラル、1896年。
Getty Images制服の一見奇妙な水平の飾りは、実際には騎兵の軍服の装飾で、歴史的には、ハンガリーの民族衣装が起源で、それがヨーロッパの騎兵の軍服に受け継がれた。
ニコライ2世は1894年に、英ヴィクトリア女王の孫娘、アレクサンドラ・フョードロヴナと結婚した際に、歴戦の精鋭部隊、ロイヤル・スコッツ・グレイズ(第2竜騎兵連隊)の第1カーネル・イン・チーフに任命された。
ワレンチン・セローフ画軍服を着て軍隊に敬意を示すのは、軍隊の古い慣習だ。ロシア軍では、それは、文字通り「軍服を着て敬意を示す」と呼ばれていた。例えば、ロシア皇室の大公たちは、生涯を通じて様々な連隊の連隊長の地位を保ち、公的な儀式には軍服を着て臨んだ。
こうしてジョージ5世の従弟、ニコライ2世も、ロイヤル・スコッツ・グレイズのカーネル・イン・チーフに任じられ、ロシア革命後の1918年にボリシェヴィキに一家もろとも殺害されるまで、その地位にとどまった。
一方、ヨーロッパ各国の君主たちも、ロシア帝国の連隊の連隊長であった。例えば、オーストリアのフランツ・ヨーゼフ1世は、1848~1914年にケックスホルム連隊の連隊長であり、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世はロシア海軍の提督でさえあった!
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