ロシアの歌「一箱のタバコ」を訳してみた(いっしょに歌ってみよう!)

ロシア語
アレクサンドラ・グゼワ
有名なミュージシャン、ヴィクトル・ツォイによるこの曲は、今でも頻繁に演奏されるギター曲の1つだ。

 ロックバンド「キノー」とそのボーカル、ヴィクトル・ツォイ(1962~1990年)は、主にペレストロイカ期の大ヒット曲「変化を! (Перемен!)」で、世界的に有名だ。

 しかし、ロシアでは、別の歌も好んで歌われる。

 「一箱のタバコ」(1989年)というタイトルのごくシンプルな曲で、ギターで伴奏する。

 憂鬱な歌声にもかかわらず、ツォイは楽観的に語る。ポケットに一箱のタバコが入っているなら、そんなに悪くない、と。

「一箱のタバコ」(Пачка сигарет)

僕は座って、よその窓からよその空を眺めている

でも、見覚えのある星は一つも見えない。

僕はあちらこちらの道を歩き回った

でも、振り返っても自分の足跡を見分けられなかった

Я сижу и смотрю в чужое небо из чужого окна

И не вижу ни одной знакомой звезды

Я ходил по всем дорогам и туда, и сюда

Обернулся и не смог разглядеть следы 

リフレイン:

でも、もし一箱のタバコが僕のポケットに入っていたら、

そしたら、今日はそんなに悪い日じゃない、

そして、銀色の翼の飛行機の切符

それは飛び立ち、地面に影だけを残す

Но если есть в кармане пачка сигарет

Значит, всё не так уж плохо на сегодняшний день

И билет на самолёт с серебристым крылом

Что, взлетая, оставляет земле лишь тень

そして、誰もしらふで罪を犯したくなどなかった

(*「罪」(vina)と「酒」(vino)は音が似ており、洒落になっている。「酒も飲まずに」と「罪もないのに」が重なっている――編集部注)

そして、誰も危ない仕事を引き受けたくなかった

そして、音楽がなければ、公衆の面前での死は美しくない

そして、音楽なしで死にたくない

И никто не хотел быть виноватым без вина

И никто не хотел руками жар загребать

А без музыки на миру смерть не красна

А без музыки не хочется пропадать 

リフレインで2度繰り返す:

でも、もし一箱のタバコが僕のポケットに入っていたら、

そしたら、今日はそんなに悪い日じゃない、

そして、銀色の翼の飛行機の切符

それは飛び立ち、地面に影だけを残す

Но если есть в кармане пачка сигарет

Значит, всё не так уж плохо на сегодняшний день

И билет на самолёт с серебристым крылом

Что, взлетая, оставляет земле лишь тень