1. そんなことがあった
「チョコレート工場『赤い十月』で、商品に対する不注意と無責任から、チョコレートが床に落ち、そばを通りがかった人々がそれを踏んづけた。チョコレートは衛生基準に満たないものとして、子会社農場で動物の餌になった・・・」。ネクラソフ記念図書館と経済高等学院の文化学部との共同プロジェクトである「そんなことがあった」の番組の一つはこんな風に始まる。
プロジェクトでは、学生たちが1930年代から1940年代にかけてのソ連の新聞に掲載されていた奇妙なニュースを読む。薬局で治療用のワインが売り出されたという話題、ネクタイコンクールのニュース、鳩の飼育が流行に関する話などである。記事を紹介した後、学生たちはこうしたニュースに対する現在の反応、またこうした出来事がソ連の市民に与えた影響などについて話し合う。
放送時間: 20分前後
聞くには: Apple Podcast、VK、Яндекс.Музыка、アンドロイド・アプリ、オフィシャル・サイト
2. 恐ろしい話
リラックスしたムードのインストゥルメンタル音楽、静かで、はっきりした、少し眠気を誘うような男性の声が、ロシア各地のもっとも恐ろしい話を語る。19世紀末のサンクトペテルブルクに現れた魂を凍らせる幽霊の話から1989年にヴォロネジに着陸したUFOの話などである。
ポッドキャスターのグリゴーリー・プロロコフは2019年夏から、ロシア人を恐怖に陥れる都市伝説を探し出し、ポッドキャストで紹介している。新しいネタは古い新聞の切り抜きや本、インターネットサイトなどで見つけるという。そのほとんどは、それらの出来事に強い印象を受けた人たちによってかなり誇張されたストーリーであるが、ディアトロフ峠事件やヤクーチヤにある異常地帯など、実際の場所や出来事に関連したものも多い。
放送時間 15分前後
聞くには:ポッドキャストのオフィシャルサイト
3. ロシアン・シャッフル
音楽賞について議論したり、ロシアの人気のポップミュージックやラップを紹介したり、ソーシャルネットワーク上のまだ知られていないスターを発見したりする、ロシア音楽をテーマにした人気のポッドキャスト。
ジャーナリストで音楽評論家で、「ロシアのポップミュージック史」の執筆者でもあるオレグ・クルミフが、友人のアルトゥール・クラコフと共に、2010年代のロシア音楽がどう変わったか、Tik Tokがどのようなアーティストを生み出しているか、新時代のポップミュージックの傾向はどのようなものかなどについて語っている。
放送時間:40分前後
聞くには:Apple Podcast、Google Podcast、Яндекс.Музыка、SoundCloud
4. ロシア語でなんていう?
ロシアでは女性を怒らせないよう声をかけるにはなんと言えばいいのか。ロシアのからかい言葉はどこから来ているのか。コロナウイルスによってロシア語はどう変わったのか。モスクワ地下鉄の駅名にはどんな意味があるのか。
こうしたロシア語に関する興味深い質問に答えを出してくれるのが 、ロシア通信のポッドキャストである。楽しい雰囲気で、興味深い言葉の例を出しながら、ロシア語を変えた歴史的な出来事を紹介したり、新たな言葉や表現がどこから誕生し、なぜ消えていくのかなど説明してくれる。
放送時間:10分前後
聞くには:番組サイト、Apple Podcast、Castbox、Soundstream
5. キージェ中尉
「キージェ中尉」は、人間の視点から見たロシア史に関するポッドキャスト。ロシアの指導者はどのように葬られたのか、ルーシ時代のトイレはどのようなものだったのか、19世紀の帝政ロシア時代の典型的な市場では何が買えたのかなど、異なる社会層の日常に関する事象について、歴史研究家でロシア・ビヨンドの記者でもあるゲオルギー・マナエフが語っている。
このポッドキャストの制作者とリスナーたちが興味を持っているのは、過去がどのようなものであったのかである。このポッドキャストでは、ロシアの創始者たちが何を恐れ、何を目指したのか、ピョートル大帝は私生活においてどのような人物だったのか、帝政ロシア時代にはどのような移動手段があったのかなど、学校や大学では教えてくれないような事実を知ることができる。
放送時間: 30分前後
聞くには: Яндекс.Музыка、Patreon
6. タバコ1箱
「もしポケットにタバコが1箱あったなら、今日はそれほど悪い日でもないさ」。伝説的なソ連のロックバンド「キノー」のリーダー、ヴィクトル・ツォイをテーマにしたポッドキャストは、いつもこの「キノー」の歌の一節から始まる。
ポッドキャストは6つの放送から成る。MBKhメディアのジャーナリスト、ダリヤ・ダニロワは、ツォイがいかにして伝説になり、死亡した後、ロシアのいくつもの世代を一つに結束させることができたについて語っている。ダリヤは、ロシア全土がヴィクトル・ツォイに別れを告げたときのこと、ツォイが好きだった場所、彼の分身について、そして今なお、家に、彼の名前のついた通りへの方向を指した紙を貼り、記念碑を作り、「キノー」がリリースすることができなかった曲を発表しているファンたちについて紹介している。
放送時間:35分前後
聞くには:ポッドキャストのサイト
7. ロシアもまた
「ロシアのバーニャ(サウナ)に入っていると、『夫は気前よい人がいいが、愛人はいつでもギャンブラーであるに限る!』と言われたもの。彼らは裸でテーブルを囲み、ウォトカを飲み、胸から肩に飛び込み、互いをくすぐり合う」。変わらぬテーマソングに合わせて、石が擦れる音やコオロギの声がし、ゲストの一人がロシアのバーニャでの体験を話す。
ポッドキャストでは、ロシアの田舎で今も守られているロシアの無形遺産や貴重な伝統を紹介されている。ロシアの小都市はなぜいつも不幸なのか、なぜロシア文化では労働移民について語られないのか、北方の村々ではどのような精霊が信じられているのかなどについて、人間学者のドミトリー・オパリンとジャーナリストのマリヤ・セメンヂャエワが、専門家を招いて、話をする。
放送時間:1時間前後
聞くには:Player FM
8. 英雄たちの鏡
映画監督カンテミール・バラゴフのデビュー作「クロースネス」はなぜアメリカの女優、ユマ・サーマンを憤慨させたのか、フョードル・ボンダルチュークはどのようにしてメインストリームの映画を作るようになったのか、またアンドレイ・ズヴャギンツェフの映画はロシア社会のどんな痛いところをついているのかなど、現代ロシアの映画、そしてアンドレイ・コンチャロフスキーからコンスタンチン・ボゴモロフに至る映画人をテーマにしたポッドキャスト。地元の映画評論家が対話形式で深く語る。
放送時間:45分前後