ウラジーミル・プーチン
Aleksey Druzhinin/Sputnikおそらく最も頻繁に口にされるロシア人の名前がこれだろう(我々は皆、そうした広まりの背景を知っている!)。ところが実際のところ、ロシア語を母語としない人のほとんどが同じ間違いを犯す。つまり、別の文字にストレスを置くのだ。
「VlAdimir」も「VladimIr」も間違っている。常に「VladImir」と発音されなければならない。
ロシア語の「i」(и)は長く「イー」と発音される。英語なら「deer」とか「meet」の「ee」のような音になる。そして最初の「a」の音も、「ah, really?」と驚いたときの「ah」のような感じになる。だから、「VlahdEEmeer」となるわけだ。
それからもう一つ注意点がある。「Vladimir」を愛称形か何かのつもりで「Vlad」と縮めないでほしい。「Vlad」という短縮形は確かにあるのだが、それは別の名前、ヴラジスラフ「Vladislav」の愛称形だ。ウラジーミルの短縮形(愛称形)は、「Vova」か「Volodya」である。
イワン雷帝
Tretyakov Galleryロシア人は、イワン雷帝が英語で「Ivan the Terrible」と発音されるのを耳にすると、しばしば笑いをこらえられない。なぜなら、ロシア語の「Ivan」の「I」は、「iPhone」のそれみたいには発音されない。「アイヴァン」は間違いである!
この場合もやはり、「i」は「ee」のような音になる(「meet」のようにだ。覚えているかな?)。つまり、ロシア語の「i」(и)は単語の中のどの位置にあっても、このように発音される。だから、この名は「イヴァン」となるわけだ。
もう一つ、外国人は、この名前でも、ストレスを間違った文字に置きがちだ。ストレスは「a」にあり、発音はやはり、さっき触れた「ah」のようになる。だから、「イヴァーン」だ。そんなに難しくないから、何度か繰り返してみよう。
ボリス・エリツィン
Dmitry Donskoy/Sputnikハリウッド映画に出てくる「悪いロシア人」の中で最も広く知られている名前だろう。しかし、米国在住のロシア人たちはこれを荒唐無稽に思っている。それらのキャラクターは、たいていはカリカチュアだし、名前の発音がひどく間違っているからだ。
やはり問題はストレスだ。ロシア語では、ストレスはいつも必ずただ1つの特定の文字(母音)に置かれる。それから、決して「bOris」とは発音されない。いつでもボリース「BorIs」だ。上の書き方だと「BorEEs」。
ここでちょっと難しい規則を覚えてほしい。「O」にストレスがない場合は、通常それは、「Oh」のようにではなく、軽く「ah」のように発音されるということだ。だから、バリース「BahrEEs」が正しい。
グリゴリー・ラスプーチン
Sputnikグリゴリーの中でいちばん有名なのは、たぶん「怪僧ラスプーチン」だろう。この名はふつう、イワンほどひどくはないが、それでも100%正しくは発音されていない。ストレスを「o」に置いて、「GrigOry」と言わねばならない。
あと、グリゴリーとゲオルギーは(さらにドミトリーなども)、ロシア語のネイティブ以外はたいてい同じミスをする。つまり、最後の音を「i」のように発音するのだが、これは実際は「iy」となる。なぜなら、ロシア語ではこれらの名前は、「ий」という二つの文字で終わるからだ。グリゴリー(Григорий)、ゲオルギー(Георгий)、ドミトリー(Дмитрий)のように。
それから、ゲオルギーについて注意点がある。ラテン文字に移すと「Georgy」となるから、例えば、キング・ジョージ「King George」のジョージに似ているのだが、発音はぜんぜん違う。最初の音は、グリゴリーと同じく「g」であり「j」ではない。また、真ん中の文字「EO」は、「eo」と発音される。「King George」のように「ɔː」と発音するのは間違いだ。
聖オリガ
The State Russian Museum驚くべきことに、ロシア女性の名前は、外国人ははるかによく発音する。いくつかの音はネイティブ以外にはまだ難しいようだが。
例えば、アレクサンドラ(Александра〈Alexandra〉) では、ロシア人は「K」の音の後を「S」と発音するが、外国人の多くは「Z」になる。
また、「r」(キリル文字では「р」)を含む名前は、どれも外国人にはチャレンジになるだろう。英語などとは違い、トラが「rrrr」と唸るような巻き舌になるからだ。
さらに、たいていの外国人は、オリガの発音が正しくない。ラテン文字表記は「Olga」なので、これにひっぱられて、「オルガ」となったりする。
しかし、これは外国人のせいではない。この名前には、ラテン文字に相当するものがないキリル文字が含まれているからだ。
それは、軟音符と呼ばれる「Ь」である。オリガはこの文字を含んでおり、「Ольга」と表記される。だから、これをラテン文字で表記する場合には、「Ol’ga」とすべきだ。そして、「L」の音は、軟音符があるので「軟らかく」発音される。これは、ドイツ語を話す人には簡単かもしれない。「einmal」(ある時)や「spiel」(ゲーム)に、似たような「L」があるからだ。
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