マレーヴィチの芸術作品によく似た、デイヴィッド・アジャイが手がけたモスクワのキャンパス(写真特集)

Stanislav Timokhin撮影 / Moscow School of Management
 モスクワ西部にある建物は、上空から見るとシュプレマティスムの絵画のようである。しかし実際は、これはビジネス・スクールの校舎だ。じっくりと見てみよう。

 1.スコルコヴォにあるモスクワ・マネジメント・スクールのキャンパスを空から見ると、カジミール・マレーヴィチのシュプレマティスムの大プロジェクトかと見紛うほどだ。

 2.キャンパスの建物は、円形につくられており、その上に3つの長方形の建物が載せられている。そして、丸いシミのような構造物も見える。円形の建物の外側には、いくつもの歩道が建物から光線のように伸びている。 

 3.  2006年にスコルコヴォ・ビジネス・スクールの創立者がこうした変わった校舎を造ろうと考え、イギリスを代表する建築家デイヴィッド・アジャイの手によって実現した。彼は、ワシントンDCの国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館や、デンバーの現代美術館も設計している。

 4.彼は、シュプレマティスムの「父」であり黒の正方形の作者の有名なロシア人芸術家カジミール・マレーヴィチの作品にインスピレーションを受けた。そしてこの学校の革新性を表現することにした。しかも実はこの抽象芸術家の墓は、この学校がある地区に位置している。アジャイは建物の外観と内装をアヴァンギャルド幾何学を使ってデザインし、2010年には一つの屋根の下に、「町」を作り上げた。

 5.メイン・エントランスからエスカレーターに乗ると「町」の中央「広場」に着く。ここは、「生きた」壁と本物の植物で飾られた白いホールだ。壁の中には複雑に注水システムが組み込まれており、多くの学生が一週間を通してキャンパスで過ごすため、居心地の良い空間になっている。

 6.「円盤」と呼ばれるメイン・エリアは7つの教育分野ごとに部門が区切られており、世界の国や地域の名がつけられ、それぞれの色コードが使われている。教室も同じように都市の名前がつけられている。「ウラジオストク」で講義を聞いたり、「リオデジャネイロ」で試験を受けることになるのだ。 

 7.キャンパスのあちらこちらに、シュプレマティスム形式の面白いオブジェが置かれている。「赤い男たち」が座っていたり、いくつかの部門には、「人の輪郭」画が飾られている。

 8.ここの学生のほとんどは起業家の卵や経営者を志す25歳から50歳の人で、多くはBRICSかCISの国の出身だ。よりよい事業運営や起業について学びここでMBAを修得する。そして学生の多くが在学中に起業するのだ。キャンパスには土産物屋(一体だれが学校のロゴ入りノートを50ドルで買うのだろうかという疑問はあるが)やいくつかのカフェがある。

 9.円盤から歩いて長方形の建物の1つに上がることが出来る。ここにはパミールホテルと天山ホテルがあり、学生たちが就学中に居住している。もう1つの長方形の建物は、フィットネスクラブ付きのビジネスセンターだ。

 10.円盤のどこからでも人工芝に覆われた屋上に上がることが出来る。天気予報で晴天を確認して暖かい日には特殊なコーティングがされた円形サーキットをジョギングするも良し、隣接する公園のパノラマを眺めながら居心地の良いカフェでリラックスするのも良い。

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