日露学生のケース・チャンピオンシップを開催

セルゲイ・ミヘエフ/ロシースカヤ・ガゼタ
 学生たちがロシア極東・沿海地方の経済問題について議論し、具体的な解決案を提示して実現性や具体性で競うケース・チャンピオンシップが27日、モスクワ都心のホテル・メトロポールで行われた。このチャンピオンシップは、毎日新聞とロシア政府発行紙「ロシースカヤ・ガゼタ」が共同主催した第4回日露フォーラム2018の一環だ。ロシアの人材コンサルタント会社「Changellenge >>」がセクション・パートナーとなった。

極東・沿海地方のビジネス・プランを競う

 Rosbankの、日本企業との協力関係を統括するドミトリー・オルソフ氏、ロシアで活動する日露両国の企業をサポートする人材派遣会社「エイジェック」の総務部長、アンドレイ・チュラフヴァロフ氏をはじめ、計5名が審査員となり、最も優れた解決案を提示した上位3チームを決定した。

 チームは12あり、1チーム7~8人の学生で構成された。ロシア語と英語で用意された資料を読んで、1時間以内に経済課題を見つけ、ビジネスとなる分野を絞り、具体的な解決案をロシア語でプレゼンとして示せるように準備する。資料には沿海地方の主要産業のデータ、2018~2019年度予算の内訳、他国との輸出入の割合などが記されていた。

 学生たちは主にロシア語と英語で活発に議論を進め、意見を1枚の画用紙にまとめていった。日本語を学んでいるロシア人学生も多く、学びたての日本語で説明してくれる場面もあった。

 まずは、審査員が二手に分かれ、各チームのテーブルを回ると、学生たちは画用紙にまとめた解決案を10分以内でプレゼンした。その後3分間の質疑応答の時間が設けられ、審査員からビジネスとその展望、実行方法などについて突っ込んだ質問がなされると、学生たちはそれぞれのアイデアの魅力を時間の限りアピールした。

 これによって、ファイル出場チームが4つに絞られた。ファイナル出場チームは審査員を含む会場の全員の前でアイデアを語った。5段階評価で、最も優秀な上位3チームが決まった。優勝チームには、この後に開催された日露両国のトップマネージャーが集まるアフターパーティーへの参加権が贈られた。 

参加した学生の生の声

 今回のチャンピオンシップに参加した日本人学生数人に感想を聞いた。

 「日露フォーラムということで、日本人とロシア人が協力して沿海地方の経済発展について考える機会があったのは嬉しかったが、資料がロシア語と英語しかなかったので日本語も欲しいところだった。日本人もロシア人もお互いについて知らないことが多く、相互の情報が不足していると思った。今回はロシア人向けのイベントだと思ったが、次回はもっと多くの日本人が参加しやすくなるように期待している。応募者5000人の中から残ったロシア人学生と話し合う体験ができたのはとても良かったと思った」

 このように、貴重な機会として評価しつつも、資料、情報の不足、不備を指摘する声が聞かれた。

 「英語やロシア語などといった言語の種類にかかわらず、自分の意見を正確に理解してもらえるように伝えることは難しいと感じた。そのかわり、伝えようとする意志を見せれば相手は聞いてくれるということに気付いた」

 「ロシア人学生が時間内に話をまとめたり、発表したりする姿に感銘を受けた。議論のスピードが日本人同士の場合と比べてかなり速かったし、すべてロシア語だったので、ついていくのが大変だった」

 その一方で、ロシア人学生のコミュニケーション、ディスカッションの能力についてのこうした感想もあった。 

 「ロシア人と日本人の学生の人数のバランスがあまりに偏っていたので、せめて1つのチームに1人は日本人がいたほうが良いと思った。バックグランドの全く異なるロシア人に一般の日本人がロシアについてどう思っているか、どれほど興味を持っているがなどを説明することが難しかった

 まだまだ「接点」は十分ではないが、貴重な一歩が踏み出された。全体としては、こう実感する学生が多かったようだ。

最初の生きた「接点」をいかに育てていくか

 残念ながら、今回のチャンピオンシップで、日本人のいるチームが表彰台に上ることはなかった。その一因として、参加学生も述べていた通り、プレゼンをロシア語で準備することが規則として決められていたり、日本語の資料が無かったり、日本人参加者が少なすぎたりなど、イニシアチブを取りづらい状況だったことが挙げられる。

 こうした問題点、課題はあるが、こうした場で学生たちが日本とロシアの「接点」を模索することで、日本人とロシア人の「接点」が広がっていくことを期待したい。日本では経験できないこの状況を純粋に楽しみ、ここから得た学びを将来に活かすことが、我々に求められている課題なのかもしれない。

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