ロシア国立図書館(旧レーニン図書館)に登録する方法
ロシア最大の図書館「ロシア国立図書館」は、ロシア人と外国人の双方に対して平等だ。ただし、「レーニンカ」の通称で呼ばれるこの図書館に登録するには、18歳以上でなければならない。あなたのIDと100ルーブル(約200円)を出せば、すぐにあなたの図書館カードの写真を撮ってくれる。
注意点
予めあなたが写真を用意して持参しても、通常、図書館カードを作成する際にはうまく処理されない(要するに、100ルーブル払って撮ってもらったほうが簡単だ)。本は館外に持ち出せないが、膨大なデジタル・アーカイブがある。また、あなたが長い間コピーの順番待ちを余儀なくされたときは、安くて良いカフェがある。どれほど多くの天才たちがそこで食事してきたか、想像してみてほしい。そんな人が今、あなたの隣に座っているかもしれない。だから、こういう時間も楽しもう!
モスクワの他の主な図書館にはどう登録するか
他のほとんどのモスクワの図書館も、外国人に門戸を開いているが、唯一の問題は、モスクワ市とモスクワ州の住民以外は、本を館外に持ち出せないことだ。
言語学者と翻訳者にとってうれしいのは、「イノストランカ」の通称で知られる「ルドミノ記念外国文献図書館」が、外国人に無料で開放されていることだ。入館の際には身分証明書が必要。また、少なくとも1年間のモスクワ居住者登録があれば、書籍を持ち出すこともできる。
「イストリーチカ」の通称で知られる「ロシア国立公立歴史図書館」は、規則が最も厳格で、IDだけでなく、高等教育機関で学んでいるか教えていることを証明するカードが求められる。しかし、サービスは無料で利用できる。ここには、定期刊行物やその他の歴史資料のユニークなアーカイブがある。デジタル・カタログもあるので、事前に書籍やテーマについて検索することができる。図書館員によると、外国人がしばしば訪れるとのこと。ウェブサイトはロシア語だ。
「ロシア国立青少年図書館」と「ツルゲーネフ図書館」は、一般に開放されている。登録は制限されておらず、必要なのはIDだけだ。
外国人がIDのみで登録できる図書館は、モスクワ都心およびその周辺にたくさんある。そのほとんどの図書館には現在、コンピュータ、Wi-Fiを使える閲覧室があり、カフェもある。また、関連のエンターテインメントや教育イベントも行っている。
都心から離れた地区の図書館での登録方法
モスクワ都心から遠い地区にある図書館でも、規則はほぼ同じだ。外国人は身分証明書を提示しなければならない。また、モスクワ居住者登録が必要な図書館もある。「第186番エセーニン図書館」 (15/5 Krzhizhanovsky Street)は、外国人の訪問を歓迎している。
「科学技術図書館」は、外国人の訪問者はあまり来ないと言っているが、何らかの理由で時折イタリア人が訪れるとのこと。
モスクワ以外の図書館はどうか?
サンクトペテルブルクのほとんどの図書館は、外国人を迎え入れる用意があり、利用するには、身分証明書が必要。「ロシア国立公共図書館」(通称は、シチェドリン図書館または公共図書館)は、外国人が頻繁に訪問すると言う。「ニコライ・ゴーゴリ図書館」では、IDに加えてサンクトペテルブルクでの居住登録が必要になる。中国、韓国、バルト諸国から「本の虫」がよく訪れるそうだ。
北極圏に近いムルマンスクの、「国立ムルマンスク州総合科学図書館」は、ロシア最大の図書館の一つ。外国人がIDを呈示してもしなくても、受け入れられるが、呈示しない場合、権利が制限される。ここの図書館員によると、日本人、ノルウェー人、フィンランド人、イギリス人その他、多くの国から頻繁に訪問者がやって来るという。
「マガダン州総合科学図書館」の図書館員によれば、過去10年間で、とくにグラグ(強制収容所)に関連して、そのアーカイブ、定期刊行物、書籍に関心が高まっているという。フランス、ドイツ、スウェーデン、米国、ルーマニア等の研究者がここでしばしばリサーチをする。外国人に利用上の制限はないが、身分証明書が必要。マガダンで一定期間の居住者登録をしている場合は、書籍を館外に持ち出すこともできる。
シベリアのイルクーツクにある「モルチャノフ=シビルスキー記念国立イルクーツク州総合科学図書館」は、世界中の人々を歓迎している。図書館員によると、イルクーツクで学ぶモンゴル、中国、韓国の学生が多く利用するという。
シベリアのエカテリンブルクにある「ゲルツェン記念エカテリンブルク市立図書館」は、当地に住む外国人の間で非常に人気がある。館長のガリーナさんによると、中国、韓国、日本の学生が、主にロシア語のスキルを向上させるために、ここに来る。また、彼らはクラブを組織し、さまざまなイベントを開催している。IDを呈示すれば誰でも図書館に登録できる。