このサンブークという料理を作るまでは、この言葉に関連するものといえば、アニスの香りがする有名なイタリアのリカーしか知らなかった。しかしながら、このロシアのデザート、サンブークを作るのに、サンブーカ酒やアニスはまったく要らない。事実、この料理は、ポーランドにルーツがあるという説がある。
サンブークのいちばん古いレシピは、高名な料理研究家ペラゲヤ・アレクサンドロワ-イグナチエワが1899年に著したロシアの料理本に見られる。それは泡立てた卵白にフルーツもしくはベリーピューレとゼラチンでつくるムースの一種である。これらの材料を組み合わせることによって、独特のふわっとした食感に、上品な甘さのフルーツの香りが醸し出される。
私の中では、このサンブークは、ゼフィール もしくは べレフパスチラの軽いバージョンで、作り方や味もとても似ている。その違いは、サンブークはより簡単に作れて、料理の腕もたいして要らないことだ。
このサンブークの良いことのひとつは、甘いお菓子であるにも関わらず、小麦粉やバターを全く使わないのでとてもカロリーが低く、とても健康的なことだ。しかし、サンブークのつくり方には、生クリームあるいはトヴォーログ(カッテージチーズ)をつかうものもある。こうすれば、食感がよりクリーミーで、スフレのようになる。しかしこれは好みによる。
伝統的なサンブークはリンゴ、アプリコットもしくはプラムのピューレで作られるが、季節のベリー類やフルーツを使っても良い。ところで、プラムのサンブークにもリンゴのピューレは入れられることが多い。そのときに大事なことは、酸味のつよい種類のリンゴをつかうことだ。というのも、そうすれはプラムの甘味とうまく調和するのである。しかも、リンゴにはムース状のどんな料理にはとても重要なジェリーエージェントペクチンが含まれている。
1. プラムは半分にカットし、種を取り除いて、天板に乗せる。
2. りんごは皮を剥き、大きめにカットし、プラムと一緒に180℃のオーブンで15分ほど焼き、柔らかくする。
3. 焼いたプラムとりんごは粗熱をとり、プラムの皮を剥いたら、なめらかになるまでブレンダーにかける。
4. 鍋に注ぎ、砂糖を加えて5〜7分中火にかけ、砂糖をとかす。ラップをするか、容器に移して、冷蔵庫に入れ、2時間以上かけて冷やす。
5. 水150mlにゼラチンを加えてふやかす。
6. ゼラチンを溶かす。湯せんにかけると良い。ゼラチンを入れたカップを大きめのボウルに入れ、ボウルにゆっくりと熱湯を注ぎ、1分待ってゼラチンが温まったら混ぜて溶かす。
7. 大きめの透明のボウルに卵白と冷やしたフルーツのピュレーを入れる。泡立て器かミキサーを使って、白っぽくなり、量が増し、ふわふわになるまで高速で7分ほど泡立てる。
8. 泡立てながら、液体のゼラチンを高い位置から少量ずつ加える。3〜5分さらに泡立てるともっと量が多くなる。
9. ガラスの器かアイスクリーム用のグラスにムースを入れ、ミントの葉やプラムで飾りつけたら、2時間ほど冷蔵庫で冷やす。サンブークの出来上がり!冷たいまま召し上がれ!
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