ルコヴニクに関する記載がロシアの家事に関する書物に登場するのは16世紀である。「ドモストロイ」という本が最初に出版されたのは、イワン雷帝の時代で、ルコヴニクはその中に精進期のベジタリアン料理の一つとして並んでいる。乳製品や肉を使わない料理であっても、それがあまりおいしくないことを意味するわけではない。むしろ、それが利点であったりもする。シンプルで最小限の材料しか使わないことで、メインの材料の味が引き立つのである。
ルコヴニクは、上部が閉じられた多層パイである。生地は水と植物油でできているため、しなやかで、型から外しやすく、手にもつかない。
このパイがかつてどんな形をしていたのかは想像するしかない。現在は色々なタイプの型があるが、クラシックなものでは丸か長方形の多層パイで、それに小枝や葉っぱ、花の形の飾りをつける。
最近の新しいスタイルのもので、ロール型のものも作られている。生地にタマネギのフィリングを入れ、8個から12個に斜めにカットし、くるくる巻いて、天板の上にそっと置く。
フィリングも最近では、タマネギだけでなく、ネギやニラなども使うようになっている。ここではクラシカルな白タマネギを使うが、特別な風味を出すため、フェヌグリーク・パウダーを加える。
複雑に見えるかもしれないが、実際には簡単に作れる。そして、残ってしまっても、翌日もおいしく食べられるのがうれしい。
1. ドライイーストと砂糖を温かい水に入れ、溶かし、油を加える。
2. 小麦粉に塩とスターチを加え、1の水に入れる。ミキサーで15分ほど、柔らかくなるまでこねる。
3. 生地をフキンで包んで膨らませる。その間にフィリングを作る。
4. タマネギは皮をむき、小さな角切りにする。
5. 透明になり、きれいな焼き色がつくまで炒める。焦げないよう混ぜ続けること(25〜30分)。お好みで、塩、コショウ、フェヌグリークを加える。炒めたら、冷ます。
6. 生地を6つに分ける。4つは同じ大きさにし、1つは底にするので大きめに、もう1つは装飾用に小さめにする。
7. 焼き型に油を塗る。大きめの生地を丸く伸ばす。
8. 生地を底に敷き、縁を高く作る。
9. 1枚目の生地の上にフィリングを広げる。
10. 同じ大きさに分けた生地の1枚をめん棒で伸ばし、フィリングの上に乗せる。
11. もう2枚も同じようにし、端は折る。(作っている過程で生地が薄くなった場合は、端をカットし、もう1層増やしてもよい)
12. 最後の1枚を載せます、上から優しく押し、隙間を無くす。
13. 小さく切り分けた生地で葉っぱの飾りを作る。パイの上からひまわり油を塗る。190℃に予熱したオーブンに入れ、50〜60分焼く。
14. 焼き上がったら、オーブンから取り出し、粗熱をとる。
15. パイは温かいままでも、冷めてもおいしい。またアペタイザーとしても、スープやサラダを一緒に食べても楽しめ、お出かけのお弁当にもちょうどよい。どうぞ召し上がれ!
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