ロシア人なら誰でも、学校時代に食べた砂糖の「舌」を覚えている。学校の休み時間に食べると本当に幸せな気持ちになったものである。この「砂糖の舌」はカフェや食料品店でも買うことができた。わたしの両親もこのお菓子が大好きで、一番安いお菓子だといつも言っていた。
この「砂糖の舌」の名前の由来は、もちろん、その形である。伝統的なレシピでは、その形は長くて先が丸くなっているのだが、四角いままでも素晴らしい味は変わらない。
「砂糖の舌」はかなり固くて、生地は薄い層が重なってできている。本物のパイ生地は作るのに非常に時間がかかり、バターを使って折り重ねるスキルが求められる。しかし、この多層づくりの効果を得る方法はこれだけではない。
ここで紹介するレシピは家庭で引き継がれたレシピとわたしのパイ生地づくりの経験を融合させたものである。コツは冷たい水にある。このレシピは、家でパイ生地を焼いてみたいけれど、時間があまりないという人にぴったりなものである。手軽に、サクサクでおいしいパイが出来上がる。
精進期のあるときに、わたしはバターの代わりにマーガリンを使ってみた。実際、バターの方が味に深みがある。しかし、シナモンを加えれば、バター不足を補うことができる。しかも少しひねりを加えるために、ソ連時代のレシピには使われていないシナモンを使うとよい。もう一つのソ連バージョンとの違いは、アップルビネガーを入れる点である。アップルビネガーを加えることで、生地を扱いやすくすることができる。
独特の魅力を持つこのシンプルなソ連のデザートをぜひ作ってみてほしい。
材料:
- 薄力粉 250g
- マーガリン(バター) 200g
- 冷水 50g
- 塩 小さじ1/2
- 砂糖 大さじ2
- アップルビネガー 大さじ1
- ブラウンシュガー 大さじ4
- シナモン 小さじ1(お好みで)
作り方:
1. 固いマーガリン(バター) をキューブ状に切り、薄力粉、塩、砂糖と一緒にフードプロセッサーに入れる。
2. ポロポロした状態にする。
3. 冷水とビネガーをゆっくりと生地に加え、均等に混ざった状態にする。
4. 生地を打ち粉をした作業台の上に置き、薄い長方形に伸ばす。2時間、冷蔵庫で休ませる。
5. オーブンを200℃に予熱する。冷蔵庫から取り出した生地を6〜8㌢の厚さに伸ばし、15x5㌢角に切っていく。
6. 生地に植物性ミルクを塗り、ブラウンシュガーをふりかける(お好みでシナモンも)。
7. 15分ほど焼く。
8. 少し膨らみ、きれいな焼き色がつけば出来上がり。
9. どうぞ召し上がれ!