アカシカの肉なしにシベリア料理を想像することなどできない。アカシカは地元の森に住む大きなシカの一種である。またシベリアっ子たちはワラビが大好きである。ワラビは煮たり、蒸したり、焼いたり、塩漬けにしたりして、ダイエットによいおいしい前菜にする。ケメロヴォにあるレストラン「ザボイ」のシェフ、ウラジーミル・ブラギンさんのサラダは、焼いた卵の黄身と葉物野菜を添えていただく。
1. まずワラビのタルタルを作る。ワラビは一晩水に浸け、固い部分を取り除いて、5ミリにカットする。タマネギとニンジンもみじん切りにする。熱したフライパンに植物油をひき、タマネギとニンジンを入れる。半分火が入ったところでワラビを投入し、2〜3分後にしょう油を加える。さらに5分炒めたら、ザルに入れて、余分な油を落とす。
2. ネギソースを作る。ネギは苦味を取るため、熱湯をかけてから、ザルに入れ、余分な水分を取り除く。少し絞るようにするとよい。ネギ、マヨネーズ、クリームチーズ、塩、砂糖を1つの容器に入れ、ブレンダーにかけて、なめらかになるまで混ぜる。
3. アカシカのスーヴィードを作る。アカシカは200gから250gくらいの大きさに切り、塩、黒コショウで下味を浸け、すり下ろしたキウィを加えてよく混ぜる。鍋に入れ、植物油を加えて、70℃で6時間蒸し煮する。
4. ワラビのタルタルにネギソースを加えて混ぜ、皿の中央に乗せたら、アカシカの肉を繊維に沿ってちぎり、上に置く。
ショル人は主に西シベリアに暮らす少数民族(およそ1万3,000人)。ショル人の伝統的なスープは、アカシカの肉、タマネギ、ジャガイモを入れて作る。ここでは、シェレゲシにあるバー「ユルタ」のシェフ、ニコライ・カルィシェフさんのレシピを紹介する。
1. 鍋にアカシカ肉の塊を入れ、水を注ぎ、2時間以上煮込む。肉を取り出し、骨を外し、脂や筋を取り除く。
2. ブイヨンにジャガイモとタマネギを入れ、柔らかくなるまで煮たら、野菜を取り出し、ブレンダーにかける。ブイヨンを濾し、野菜のピュレを入れる。
3. ふるった小麦粉に卵を割り入れ、塩少々を加えたら、水100mlを注ぐ。混ぜて生地にしたら、ラップに包んで、半時間ほど冷蔵庫で休ませる。
4. 生地をいくつかに分け、それぞれ薄くのばし、4センチ四方に切る。
5. 肉は1.5センチ四方に切り、スープに加え、弱火で10分から15分煮る。
シベリアではワラビはサラダではなく、メインディッシュに使われることが多い。肉の脂っこさを消してくれるからだ。ワラビはシベリアのアスパラガスのようなものだが、よりおいしく、新陳代謝を助けてくれる。レシピを紹介してくれるのは、ケメロヴォのバー「タ・イショー・プチツァ」の経営者、オリガ・レベジェワさん。
1. 水を入れた鍋に牛タンを入れ、塩を加えて、弱火で4時間煮る。
2. ワラビ500g(自分で採ってきたものを葉を取り除いて使ってもよいし、乾燥したものでも塩漬けでもよい)は食べやすい大きさに切る。タマネギも同様に切る。
3. 茹でた牛タンは皮を取り除き、薄切りにして、植物油をひいたフライパンで、茶色に色づくまで焼く。
4. フライパンにワラビとタマネギを加え、5分以上焼く。
5. 肉をワラビをお皿に置き、上にコケモモの実を飾る。
ケメロヴォにあるレストラン「ヴォルナ」のシェフ、アントン・アヴラムチュクさんが、ちょっと変わったペリメニの作り方を教えてくれた。
1. タマネギとニンニクは細かいみじん切りにする。
2. 生地を作る。牛乳、卵、塩、コショウ、植物油、バターをしっかり混ぜ合わせたら、小麦粉を少しずつ加え、もったりと均等になるまで混ぜる。室温に1時間ほど置いておく。
3. みじん切りにしたタマネギをバターで炒める。茶色に色づいたら、松の実とニンニクを入れ、3〜4分炒める。塩コショウで味を整えて、冷ます。
4. 生地と取り出し、のばして、厚さ1.5ミリ、直径4センチの円形にしていく。周囲の端に切り込みを入れる。
5. 生地を1枚取り、半分の端を水で濡らし、中央に松の実、タマネギ、ニンニクを置き、半分に折って、半月の形にする。茹でている間に中から具が出てこないよう、合わせた部分は指で押しておく。端はひだを折りたたむように押しながら閉じる。
6. ペリメニができたら、沸騰したお湯の中に入れ、茹で始める。時計の向きに混ぜながら、2〜3分茹でる。
7. クルミのソースかサワークリームをかけていただく。
もう一つの主要な料理が、地元で獲れるカワヒメマスである。ショル人は直火で燻したり、ジュニパーベリーと一緒に食べたりした。シェレゲシにあるレストラン付きホテル「アルペン・クラブ」のシェフ、アレクサンドル・グルホフさんにレシピを聞いた。
1. 下処理したカワヒメマスに松の実油とジュニパーベリー、塩、コショウで下味をつけ、3時間ほど置いておく。お腹に切り込みを入れ、タイムとレモンを詰める。
2. 家庭用燻製機で、桜のスモークチップを入れて、135℃で燻製する。
3. タイムと輪切りのレモンで飾る。
寒いときに体を温めてくれ、活発に運動した後の体調を整えてくれるお茶。レシピを考案したのは、ケメロヴォにある「ロシアバーテンダー協会」のユーリー・セルゲーエフ会長である。
1. ティーポットにローズヒップ(刻んだもの)、ローズヒップ、ドライサジー、ジャム、松ぼっくりを入れ、熱湯(95℃)を注いで、かき混ぜる。
2. 10分ほど置いたら、茶漉しで大きな実を取り除きながら、お茶を注ぐ。
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