アンドレイ・コロジャジヌィはロシアでは野生の植物を料理に取り入れるシェフとして知られている。スペイン人のミシュランの星付きシェフ、ロドリゴ・デ・ラ・カリエと知り合ってから、この分野に興味を持つようになったという。
ワインダイニングバーBlushの内装
Press photo現在、コロジャジヌィはモスクワのワインダイニングバーBlushの料理長を務めながら、ロシア科学アカデミーの生物学者らとともに、ロシア中部の自然を研究している。現代のロシア料理について話を聞く中で、コロジャジヌィは、どのようにして、フランス料理のテリーヌとその作り方をアレンジしたかについて話してくれた。
コストロビのスープ(鶏肉と野菜入り)
Press photoそれは新たに解釈し直した古いレシピです。カブ、ルタバガ、ヤナギラン、ヘンプシード、キバナバラモンジン、ゴボウといった、もう忘れられてしまった、あるいは次第に使われなくなりつつある食材です。
栗と加熱した牛乳
Press photoフランス料理はロシア帝国時代に大きな影響を与えました。ピョートル1世の時代から、フランス人シェフは人気がありました。ランゲット(薄切りの牛肉を焼いたもの)、ビーフストロガノフ、そしてみんなが大好きなナポレオンケーキはちょうどこの時代に入ってきたものです。またいまではロシア人に欠かせないオムレツ、カツレツ、コンポートなどもフランスから入り、ロシアの家庭料理として定着しました。
アンドレイ・コロジャジヌィ料理長
Press photo秋になると野生動物を料理したくなります。そして野生の冬リンゴであるラネートカ(ヒメリンゴに似た小ぶりのリンゴ)が採れる季節です。わたしは季節の食材を大切にしています。このレシピは、偉大なフランス人シェフ、アレン・デュカスのレシピを基にして、独自の食材を加えて作ったものです。
ウサギの前半身の肉を削ぎ取り、角切りにする。内臓は包丁で細かくする。前半身(フィレの塊2つを除く)とサーロをタイムと一緒に肉挽き機にかけ、コニャックを加える。挽いた肉に内臓を加えて混ぜ合わせる。耐熱皿の側面と底に干した鴨肉をスライスしたものを敷き詰め、底に、5ミリほどの厚みになるよう挽き肉を広げる。真ん中にフィレ2つを並べる。フィレの周りにトリュフペーストとテーブルビートを置く。上から干した鴨肉のスライスを乗せ、ワイルドベルガモットとビャクシンの葉を置く。冷蔵庫に入れ、2時間ほど休ませてから、水を注いだ天板に乗せてオーブンに入れ、150℃で2時間30分焼く。その後、少なくとも48時間、できれば一晩、冷蔵庫で寝かせる。
コケモモの実をフライパンに入れ、ラズベリービネガー、メイプルシロップ、トウシキミと一緒に温め、少し置いておく。
リンゴの中にチョウジを入れ、160℃のオーブンで10分焼く。
バターをフライパンで溶かし、オレンジの果汁、ニンジンの絞り汁を加え、ナツメグで味を整えたら、かき混ぜながら煮る。
テリーヌは縦にカットし、コケモモのソースをかけ、ベイクドアップルを切って飾り、オレンジソースを添える。
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