このほとんど忘れ去られた料理はダンプリングに似ているが、2つの大きな違いがある。第1に生地の作り方が変わっていること、第2に茹でずに、焼いてからオーブンに入れてマッシュルームのスープで蒸すことだ。
「このダンプリングを食べた人は皆、ちょっと変わっているが美味しいと言う。でもロシアでは、オリジナルのクンデュムィの作り方についてはいろいろな意見がある」とアメリカ人作家ダラ・ゴールドスタインは自身が書いた料理本「北風の向こう側:レシピと伝承のロシア(Beyond the North Wind: Russia in Recipes and Lore)」の中で指摘する。
ダンプリングの餡は、普通は生、あるいは乾燥させたマッシュルームと穀粒(蕎麦、米、大麦など)で作る。「固ゆで卵を使う古い作り方もあるけれど、わたしは、もっとしっかりした歯ごたえになる乾燥マッシュルームや緑黄野菜につなぎの蕎麦を少し入れるのが好き。乾燥マッシュルームのおかげで、大人っぽい香りになり、それにサワークリームを少しいれると味がまろやかになる」。ダラはそう付け加えて自身の料理法を教えてくれた。
(60個分、4人から6人分)
1. 生地を作る。小麦粉と塩を中サイズのボウルに入れ、熱湯を注ぐ。すぐに油を加え、生地が全体に混ざるまでしっかりかき混ぜる。ボウルの中で手で数回こねたら、ボウルをラップで覆い、20分から1時間ほど休ませる。
2. 生地を休ませている間に、フィリングを作る。乾燥マッシュルームを30分ほどぬるま湯につけて戻し、水を切って、小さく刻む。水はおいておく。
3. マッシュルームを戻している間に、葉物野菜の固い部分を取り除き、よく洗う。大きめの鍋に入れて、5分ほど蒸す。水分をしっかり取り除き、小さく切る。カップ1/2程度あればよい。
4. そばと冷水を小さな片手鍋に入れ、塩少々を加える。そばが水分をしっかり吸い、そばが柔らかくなるまで弱火で15分ほどゆっくり煮る。カップ1/2程度になればよい。
5. 大きめのスキレットにタマネギを入れ、茶色に色づくまで、8分ほど弱火で炒める。マッシュルーム、葉物野菜、調理したそば1/2カップ、塩たっぷりめの小さじ1/2、ディル、お好みでコショウと合わせる。味見をしたら、おいておく。
6. オーブンを175℃に予熱する。大きめの天板にパーチメント紙をしく。生地を2つに分け、一つはボウルに入れておき、カバーする。作業台の上にしっかり打ち粉をし、生地を薄く伸ばしたら、厚さ0.15㍉の30㌢x 40㌢の長方形にする。生地を5㌢角に切り、真ん中に小さじ1のフィリングを置く。正方形の端を掴み、斜めに折りたたんで三角形にする。端はしっかり留める。指で、留めた端に装飾の折り目をつけていく。成形できたら、天板に並べる。残りの生地も同様にする。
7. オーブンに入れ、乾燥し、色が付き始めるまで18分ほど焼く。
8. ダンプリングが焼けているあいだに、マッシュルームを戻した水にローリエ、コショウの実、ニンニク、塩小さじ1/4を入れて沸騰させる。蓋をして、10分ほど煮る。浅めの2リットルの耐熱容器に2段になるようダンプリングを入れ、マッシュルームのブイヨンを注ぐ。容器にアルミホイルでしっかり蓋をして、オーブンに戻し入れ、15分ほど蒸す。ブイヨンをほとんど全部吸ったら出来上がり。
9. 熱いまま、器に盛り付け、パセリを散らす。サワークリームを添える。
レシピはダラ・ゴールドスタイン著Beyond the North Wind: Russia in Recipes and Loreより引用した。 © 2020. 「Ten Speed Press」出版, 「Penguin Random House」印刷.
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