ジュリエンヌという言葉がフランス語で野菜のせん切りを意味することは誰もが知っている。ロシアでマッシュルームとクリームで作ったご馳走が現れ、それがジュリエンという名で呼ばれるようになったのは20世紀初頭のことである。事実、この料理の食材はcut à la julienne(せん切りされた材料)であった。しかし、メニューに「せん切りされたキノコ」と書くとスペースを取ってしまう。それにレストランの店主はこのフランス語の響きが客にとてもアピールすると考えたのである。ロシア人にジュリエンって何?と聞くと、ほとんどの人はマッシュルームを使った熱々のスターターであると答えるだろう。
ジュリエンは伝統的に畑で採れたマッシュルームとベシャメルソースで作る。しかし、今ではより高脂質のサワークリームを使うようになった。今日、紹介するのは、ポルチーニ茸を使った特別なバージョンで、お祝いの席で出されるようなお菓子用のパイカップを使う。
ポルチーニ茸について一言。ポルチーニ茸は、その素晴らしい味と栄養価の高さから高貴なキノコだと考えられている。わたしがロシアに住んでいた頃は、森に行ってこのキノコを採るのが習慣になっていたが、ヨーロッパではそれほど見かけないので、スーパーマーケットで買うことになる。なぜポルチーニ茸かというと、ジュリエンに使うと特別な柔らかい歯ごたえになり、表面のサクサクのチーズととても合うからである。ロシアでジュリエンといえば、アルミ製の小さなココット皿を使って作るが、ここではどの店でも見つけることが出来るパイカップを使うことにする。
材料:
- ポルチーニ茸(冷凍) 300g
- サワークリーム(脂肪分30%) 200g
- タマネギ 1個
- チーズ 100g
- バター 50g
- お菓子用パイカップ 10個
- 塩
- コショウ
- ナツメグ
作り方:
1. タマネギはせん切りにして、バターで柔らかくなるまで炒める。
2. 冷凍キノコに熱湯をかけ、薄くスライスして、タマネギと合わせる。
3. サワークリームを加え、キノコを20分ほど煮る。塩コショウ、ナツメグで味を整え、火から下ろす。
4. オーブンを200度に予熱し、パイカップにキノコのソースを入れ、上にチーズを乗せて、オーブンの上段に入れる。
5. カップの表面が色づいてきたら、オーブンから取り出す。
6. ジュリエンを熱いうちにサーブする。
7. どうぞ召し上がれ!