チャロデイカは後期ソ連時代、多くのモスクワっ子たちに圧倒的に支持されたケーキで、モスクワのすべてのケーキ店で飛ぶように売れた。チャロデイカはロシア語で、魔女、あるいは魅惑的な女性を意味するが、これはまさにその名の通りのケーキである。一見したところはなんの変哲もないケーキで、スポンジとクリーミーなカスタードの2層立てになっていて、チョコレートでコーティングされている。しかしこのシンプルな組み合わせによってケーキはふんわり軽くておいしく、また食べたくなるものに仕上がっている。
チャロデイカの味は、ソ連のもう一つのお菓子「プチーチエ・モロコー(鳥のミルク)」にとても似ているのに驚かされる。しかしチャロデイカのレシピは、プチーチエ・モロコーよりもはるかに簡単である。というのも、チャロデイカでは、プチーチエ・モロコーに欠かせないスフレの代わりに、カスタードクリームを使うからである。
材料:
- 小麦粉 120g
- 砂糖 120g
- 卵 4個
- ベーキングパウダー 小さじ1/2
- 塩少々
クリームの材料:
- 牛乳 300ml
- 砂糖 70g
- 卵 1個
- コーンスターチ/小麦粉 大さじ2
- バニラエッセンス/砂糖 小さじ1
- 生クリーム 200ml
- 塩少々
チョココーティングの材料:
- 牛乳 60ml
- バター 30g
- ココアパウダー 大さじ3
- 砂糖 大さじ2
作り方:
1. まず基本のスポンジを作る。大きめのボウルに卵を割り入れ、砂糖と塩を入れてミキサーで、白っぽくなるまで泡立てる。7分以上泡立て、ふわふわの状態にする。
2. 小麦粉とベーキングパウダーをふるい、泡立てた卵に加え、卵の気泡を潰さないよう、スパチュラでさっくり混ぜ合わせる。
3. 材料がすべて混ざったら、パーチメント紙を敷いた焼き型に流し込む。
4. 180℃のオーブンで30分から40分焼く。型から外さずそのまま冷やす。
5. その間にカスタードクリームを作る。鍋に卵、砂糖、小麦粉またはコーンスターチ、塩少々を入れ、混ぜる。
6. 牛乳の半量を加え、なめらかになるまで泡立て、中火にかける。沸騰直前に、残りの牛乳を加え、混ぜ続ける。さらりとしたクリームが数分もするとすぐにクリーミーでもったりしてくる。ダマができないよう、混ぜ続けること。クリームがもったりしてからさらに数分加熱してから火から下ろす。カスタードクリームは結露しないよう、クリームにラップが付くよう蓋をして、完全に冷えるまで冷んやりした場所に置いておく。
7. きれいなボウルによく冷やした生クリームを入れ、ツノが立つくらいに泡立てる。
8. カスタードクリームが冷めたら、ホイップクリームを加え、スパチュラでそっと混ぜる。
9. スポンジを焼き型からはずし、同じ厚みになるよう2枚に切る。
10. 下の層をお皿に置き、クリームを広げる。クリームを大さじ数杯分よけておく。いくつかのレシピでは、スポンジにシロップを塗るというものがあるが、このレシピではシロップは使わない。シロップを塗るとスポンジは柔らかくなるが、甘くなりすぎるので注意。
11. 2枚目のスポンジを乗せる。スポンジの下の層を、上に乗せた方が表面が平らになる。
12. 残ったクリームを表面に広げる。この工程は必ずしも必要ではないが、その方がよりおいしくなる。チョココーティングをする前に冷蔵庫に入れ、30分ほど休ませる。
13. 鍋に牛乳、ココアパウダー、砂糖、バターを入れ、弱火で温める。
14. もったりと、なめらかで、艶が出るまで混ぜ続ける。
15. ケーキの全面をチョココーティングし、冷蔵庫で4時間から5時間(できれば一晩)冷やす。コーヒーと一緒にいただくとよい。プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)