第二次世界大戦以前のソ連では、ケーキはデザートとは考えられていなかった。最初の料理本に、ケーキのレシピとして載っていたのは、クッキーやカッテージチーズから作るものだけであった。当時、「デザート」という語が意味するのは、ゼリー、焼き果実、パイ、クレープなどであった。これが大きく変わったのは、1950年代に菓子産業が大きく発展した時で、あらゆる種類のケーキが作られ始めた。スポンジケーキ、ショートブレッドのケーキやウェハースのケーキなどである。これらのケーキはすぐにお茶の時間には欠かせぬものになり、中でも当時一番人気のあったのが、「スカースカ」(おとぎ話の意)というものであった。
ケーキの名前は、おとぎ話を連想させるような手の込んだデザインから来ている。長い間、「スカースカ」は薔薇、キノコ、花びらや花などを模ったクリームで飾られた棒状もしくはロール状のものであった。このケーキの飾りは、おとぎ話から出てきたような色とりどりの草原を表わそうとしたものだ。見た目だけでなく、このケーキの食感、香り、そしてもちろん軽く繊細なバタークリームの味を皆が愛した。しかしもっとも喜ばしいことは、作るのにわずか一時間半しかかからないということだ。
スポンジの材料:
- 薄力粉 120g
- 砂糖 120g
- 卵 4個
- 塩
- バニラエッセンス
シロップの材料:
- 砂糖 100g
- 水 115ml
- コニャック 大さじ1
バタークリームの材料
- 溶かしたバター 200g
- 砂糖 150g
- 牛乳 125ml
- 卵黄 2個
- コニャック 大さじ1
- バニラエッセンス
- ココアパウダー 大さじ1
- ほうれん草のしぼり汁 小さじ1(または緑の食用色素1滴)
- ラズベリージャム 小さじ1(または赤の食用色素1滴)
作り方:
1. オーブンを180℃に予熱する。ケーキ型に油を塗っておく。
2. 卵は卵黄と卵白に分け、ボウルに卵黄と砂糖2/3(80g)くらいとバニラエッセンスを入れ、もったりと白っぽくなるまですり混ぜる。
3. スタンドミキサーのボウルに卵白と残りの砂糖(40g)を入れ、ふわっと角が立つくらいまで泡立てる。
4. 卵黄と卵白をそっと合わせて、なじませる。そこに塩と一緒にふるった薄力粉を加える。出来上がった生地を油を塗った型に移し、オーブンに入れる。
5. 40分ほど焼き、つまようじを刺しても何も付いてこなければ出来上がり。十分に冷まして型から外す。
6. シロップを作る。小鍋に水と砂糖を入れ、沸騰させたら火から下ろす。
7. 室温まで冷まし、砂糖がすべて溶けていれば、コニャックを加える。
8. バタークリームを作る。スタンドミキサーのボウルにバターを入れ、白っぽくなるまで泡立てる。別のボウルに牛乳、卵黄2個、砂糖を入れて混ぜ、漉して鍋に開ける。鍋を中火にかけ、かき混ぜながらゆっくり沸騰させる。2分ほど煮たら、火から下ろし、室温まで冷ます。
9. 冷ました牛乳をバターと合わせる。かき混ぜ続けること。軽くて甘いバタークリームができる。
10. バタークリームは2等分し、片方にココアパウダーを加え、なめらかになるまで混ぜる。
11. スポンジケーキは焼き色が濃い部分を切り落とす。切り落とした部分はフードプロセッサーにかけて小さなクラムにする。
12. スポンジを水平に3つに切る。一番上の部分が一番大きいので、底にする。
13. 組み立てる。底の層にシロップを塗り、表面にバタークリーム(白い方)を広げる。
14.もう1枚も同じように繰り返し、3枚めを一番上に置き、もう一度シロップを塗る。
14. ココアを加えたバタークリームを全体に塗る。側面に細かくしたケーキクラムを塗る。
15. 白いバタークリームの残りを2等分し、片方にラスベリージャム、もう一方にほうれん草のしぼり汁を加える。色が均等になるよう混ぜる。
16. 残りのクリームを使って、葉っぱや花など好きな形を作って飾る。
17.出来上がったら、冷蔵庫で30分以上寝かせる。お疲れ様です!