ロシアで甘い生活を楽しみたい!モスクワケーキの作り方

ロシア料理
ヴィクトリア・ドレイ
 古くからある旧ソ連時代の食材を使い、モスクワの菓子職屋が作った現代的なロシアケーキ。このケーキは既にモスクワの美食道に殿堂入りしているのだ。

 私が初めてモスクワケーキのことを聞いたのは、親しい友人からだった。彼女は、モスクワに来るとまず最初に必ず、お菓子屋に行き、本場モスクワケーキを食べるのだと言った。私は菓子作りの経験が豊富だったが、正直言って、そんなケーキが存在していることすら知らなかった。調べてみると、そのケーキはここ数年で出来たもので、かつ、ロシア国内でも限られた数の店でしか売られてないことが分かった。

 2015年に、モスクワ市は、ロシアの菓子製造業者のグループ、菓子連盟に、市の象徴となるようなケーキを作るように指示した。そのためのコンテストは一般にも公開され、皆がサンプルを味見して、最も好きなケーキに投票できるようにした。20万人ものモスクワ市民が参加し、結果、ナッツメレンゲベースの、練乳と濃厚なキャラメルフレーバーのケーキが優勝した。

 モスクワケーキのよいところは、地元のお店で簡単に変える材料で作られているため、家で作ることが出来ることだ。温めた練乳、メレンゲ、バタークリーム、そしてナッツ。これらは、旧ソ連時代のお菓子屋で一般的に売られていたもので、ソ連時代に生まれた人々にとって馴染みの深いものだ。また、ケーキのデコレーションも独特で面白い。ロシアらしい赤色でグレーズをかけられ、チョコレートで「モスクワ」という文字と、市の創設者であるユーリー・ドルゴルーキーの小さなモニュメントが描かれている。

 ロシア以外で、本場のモスクワケーキを見つけることは難しい。しかし家でも簡単に作ることが出来るから、残念がる必要はない!ただひとつだけ難しいのが、真っ赤なグレーズだ。一般的なモスクワケーキは最後にミラーグレーズでデコレーションされるのだが、これを作るのが難しい。正直言って、このグレーズはケーキの味に影響しないので、バタークリームを食紅で赤くしたもので完成させてしまって全く問題ない。

ケーキ土台の材料:

クリームの材料:

作り方:

 包丁かフードプロセッサーを使い、ヘーゼルナッツを細かく刻む。大きなボウルに卵白を入れ、塩を少々加え、強めに泡立てる。ティースプーンで少しずつ砂糖を加え、最終的に固いつのが立つくらいまで泡立てる。

 刻んだヘーゼルナッツをメレンゲに加え、へらで優しくかき混ぜる。ケーキを何層に仕上げたいかによって、お好みでメレンゲを3つか4つに分ける。クッキングシートの上に、スプーンを使い、それぞれが直系18-20cmの円形になるように薄く広げる。

 150度のオーブンで10分間焼いた後、温度を100度に下げ更に2時間焼く。メレンゲ層を取り出ししっかり冷やす。

 クリーム部分を作る。室温に戻したバターを、白色になるまでしっかりかき混ぜる。バタークリームにこだわらなければ、マスカルポーネで代用することも可能だ。半分を別のボウルに分け、砂糖と食紅を加える。しっかりと混ぜ、最後のデコレーション用に置いておく。

 残りのバタークリームには温めた練乳、またはドゥルセ・デ・レチェを加える。ラムかコニャックかブランデーを入れて、混ぜる。

 フードプロセッサーで、ヘーゼルナッツをペーストにし、⑤のバタークリームに加える。へらでクリームが滑らかになるまで混ぜ、30-60分間冷蔵庫で冷やす。

 ケーキを組み立てる。メレンゲの層に⑥のヘーゼルナッツクリームを塗る。これを全ての層に繰り返し、重ねていく。

 全ての層にクリームを塗り終わったら、④の赤いクリームで周りをデコレーションし、砕いたヘーゼルナッツを添える。ホワイトチョコか何も加えていないバタークリームでデコレーションする。

 数時間冷蔵庫で冷やす。一晩おくと一層美味しくなる。

 プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)