みんなうんざりなのに過大評価されているロシア料理7品

ロシア料理
アンナ・ソロキナ
 これよりお粗末で健康によくないものを想像できる? できっこない!

1.ブリヌイ(パンケーキ)

 ブリヌイを食べずにロシアを旅行するなんて想像もできない。ロシアのパンケーキは薄くて繊細で、バターと油がたっぷりで、厳しいロシアの冬を生き延びるのを助けてくれる。お決まりの具としては、イクラ、ジャム、サワークリーム、カッテージチーズなどがある。でも正直に言うと――ブリヌイは美しい体型にふさわしいものじゃない。一人分ならいいけど、ロシアの食卓に山と積み上げられたブリヌイが目に前にあったら、途中でやめるのは難しい。もし、一枚だけでやめられる人をご存知なら、私たちまでお知らせください!

2.オリヴィエサラダ(ロシア風サラダ)

 茹でたジャガイモ、卵、ソーセージ、缶詰のエンドウ豆を用意したら、ボウルの中で全部混ぜ合わせよう。これは、ロシアでいちばん人気のあるサラダで、あらゆるお祝いごとにシンボルでもある。元々のオリヴィエサラダは、もっとエレガントで、あっさりとしたおいしいソースに浸した柔らかなウズラ肉が入っていた。しかし時は容赦ない。ソースは、チープで油っぽいマヨネーズに、ウズラは「ドクター・ソーセージ」に取って代わられた。こうして、オリヴィエサラダは「ロシア風」サラダとして世界中に知られるようになった。それでもまだ食べてみたい?

3.ぺリメニ(餃子)

 ロシアの「ペリメニ」は餃子の一種ですごくおいしい。ただし、新鮮な肉と手作りの皮で作ったときだけ。この伝統的なロシア料理は現在、学生や独身男性にいちばん人気のある食べ物となっている――忙しい人たちにとっての主食なのだ。時間がない? 冷凍のペリメニを茹でればいいだけだよ。マヨネーズをかけよう。あとは食べるだけ。茹でたペリメニを揚げる人もいる――冗談じゃなくて本当なんです!

4.オクローシカ

 この夏の冷製スープが好きだという外国人はほんのわずか――その理由はわかっている。そんな料理は聞いたこともないというのなら、レシピをご紹介しよう。上述のロシア風サラダ現代版と同じ材料を用意し、そこに「クワス」と黒パンから作ったロシア風の炭酸ソーダ(重曹)、またはケフィールを注ぐ。ケフィールというのはわずかにアルコール度がある発酵した乳製品だ。こんな作り方にもかかわらず、このスープはロシアではとても人気で、夏場には市場からレストランまで、どこででも見つけることができる。

5.ピローグ

 もちろん、この伝統的なロシア版ペストリーはとてもおいしい。魚や卵、ハーブ、あるいは、フルーツを包みこんだバターたっぷりの生地は、広大なロシアの魂を感じさせる…ロシアのパーティで山のように盛られたこのペストリーを見つけたら、食べることをやめられなくなるだろう・・・。でも悲しいことに、食べ過ぎてしまったら、翌朝は幸せな気分にはなれないだろう。

6.ポジャルスキーカツレツ

 ソ連の食堂では、料理人たちが肉のカツレツにパンを加えていた――いまではおかしなことに思えるけれど。でも、この伝統的なロシア式のレシピでは、カツレツの「中」だけじゃなく「外」にもパンがついている。想像できる? そう、この料理はパン入りで、かつパン粉をまぶしたチキンカツレツだ。

7.セモリナのカーシャ(粥)

 セモリナは穀物を生産する際に副産物だ。ソ連時代、安価で調理が簡単なセモリナ粉は子どもの朝食にうってつけの食材だった:煮込み料理やプディング、スィルニキ(チーズパンケーキ)、人気だったカーシャ(粥)の材料として使われていた。セモリナの成分はデンプンなので、穀物の代用品として使われることもある。しかしデンプン量が多いため、毎日食べるのは健康によくない。とはいえ、外科治療の後にセモリナのカーシャを食べるよう勧める医師もいる。消化がいいからだ。