冬に体を温めてくれるロシアの食べ物6選

ロシア料理
アンナ・ソロキナ
 氷点下の気温という言葉を聞くだけで寒気がするという人もいるだろう。そんな皆さんに、酷寒の日に体を温めてくれるだけでなく、冬を好きにさせてくれる料理をご紹介しよう。

1.ハーブティー

 ロシアでは、国民的飲み物はウォトカではなく、お茶だという冗談がある。ロシア人は1日中いつでも、さまざまな理由をつけてお茶を飲むのが好きだ。しかしお茶は実際、どんなアルコールよりも体を温めてくれる。紅茶があまり好きではないという人にはハーブティーまたはフルーツティーをお勧めしたい。ロシアでは冬になると、オトギリソウ、ヤナギラン、バラ、またクロスグリ、コケモモなどの葉を煮出したものを飲むのが一般的である。ハーブを集めたものは食料品店や薬局で売られているが、今も村では多くの人々が夏の間に葉を摘んだものを乾燥させ冬に備えている。

2.ホースラディッシュとマスタード

 スパイスや香辛料はメタボを解消し、体内温度を上昇させる働きがある。スプーン1杯のホースラディッシュやマスタードを、朝食のオープンサンドや夕食のステーキに添えるととてもよい。ロシアではホースラディッシュもマスタードもホロジェッツ(煮こごりに似た肉のゼリー寄せ)に欠かせないものである。ゼリーととてもよく合う。

3.ソバの実のミルク粥

 外に出ても体を温かく保ちたいなら、オープンサンドの代わりに熱い粥1日をスタートさせよう。長い時間火をかけて作るお粥は基本的なロシア料理の一つである。伝統的なレシピ通りの粥を作るのはとっても簡単。ソバの実に熱湯を注ぎ、ふきんで覆って、一晩置いておく。それだけだ。朝、そこにお好みで熱いミルクを加えればおいしいミルク粥が出来上がる。ソバの実はあまり好きではないという人は、フルーツを入れたオートミールの粥(できれば20~30分煮るものが良い)、ジャムやナッツを入れたセモリナ粉の粥、あるいは甘いカボチャを入れたキビの粥を試すのもいいだろう。 

4.ウハーとラソーリニク

 冬、体は煮込んだ具沢山のスープを欲するもの。夏には熱すぎるこのスープも、酷寒のときには体を中から温めてくれる。北方ロシアの民族たちのレシピに注目してほしい。彼らは体を温めるスープの効能をよく知っている。もし魚が好きなら、サーモンと生クリームで作るカレリアのウハーを試してみよう。もし肉の方が好きだというなら、キュウリのピクルスとパール麦の入ったラソーリニクあるいは肉団子入りのスープはいかが?いずれの場合も、サワークリームを加えるのを忘れずに。どんなスープもよりおいしくしてくれる魔法のクリームである。

5.ザワークラウト

 発酵食品は健康に良いあらゆる成分を保っている。ザワークラウトはおそらくロシアの冬の食卓にとって重要な食品である。ザワークラウトには、風邪を予防し、免疫力を上げるのを助けてくれるビタミンCが豊富に含まれている。またザワークラウトはスープからサラダまでさまざまな料理に使える。もっともおいしい組み合わせはホクホクにふかしたジャガイモとバターと合わせたザワークラウトである。

6.ハチミツダイコン

 ダイコンはロシアで古来から伝統的に食されている野菜である。一見なんということのない野菜だが、ザワークラウト同様、ダイコンにはビタミンCが豊富に含まれている。一方、ハチミツの効能についてはよく知られているところである。ということで、咳や熱など、寒い日のあらゆる悩みを解決するにはダイコンをすって、そこにハチミツをたっぷりかける。とってもおいしいのでぜひお試しあれ。