ロシアには、「ロシア人は何でもカーシャ(粥)にしてしまう。斧からでも」という冗談がある。必要なのは、穀類、ミルク、あとは作りたいという気持ちである。
1.グーリエフ・カーシャ(粥)
グーリエフ粥は伝統的ロシア料理である。柔らかいセモリナ粉にベリーやナッツを加えれば、デザートになる。19世紀に、ロシアの財務大臣ドミトリー・グーリエフに仕える料理人であったザハール・クズミンによって作られるようになった。グーリエフ大臣がこの粥をあまりに好んだので、ついには彼の名前で呼ばれるようになってしまった。またこれはロシア皇帝アレクサンドル3世の好物でもあった。作り方は帝政時代のものが守られている。
2.キビとカボチャの粥
カボチャ好きにはたまらない粥。カボチャの甘さと香ばしさはキビと相性がばっちり。ドライアプリコットや干しぶどうを加えてもいいし、オーブンで焼いでもおいしい。
3.皇帝のカーシャ(粥)
ロシア人はすごいものを皇帝にたとえることが多い(「皇帝の鐘」のように)。皇帝の粥もその例だ。精白した丸麦から作られ、ピョートル大帝やバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤの好物であった。ロシアでは、マッシュルームを加え、鍋に入れて焼かれる。
4.セモリナ粉の粥
多くのロシア人にとって、セモリナ粉の粥(マンナヤ・カーシャ)は、子供の頃の最高の思い出と最悪の思い出を同時に思い出させる。カーシャには固まりがあったりすることもあるが、ミルキーなセモリナ粉の粥はジャムと一緒にいつも出てきてとてもおいしい。家庭でも、幼稚園でも、学校でも、社員食堂でも最も人気のある朝食のメニューである。
5.そばの実の粥
そばの実、つまりグレーチカはロシアでは穀類の主役である。ミルクとバターと一緒に煮て朝食にしてもいいし、玉ねぎとマッシュルームと一緒に炒めてヘルシーなランチや遅いディナーにしてもいい。料理せずに、熱い湯で一晩ふやかして、朝にそのまま食べる人も多い。
6.ヘラクレス粥
朝食にヘラクレス粥を食べるとヘラクレスのように強くなれる、と小さなころの母親から聞かされた人は多いだろう。
ロシアでは、燕麦の粥(ミルクは入ってたり、なかったりする)が、もっとも栄養価が高く、繊維質が多く、消化に良い朝食とされている。食べやすくするためにフルーツやハチミツを加えることも多い。
7.スペルト小麦の粥
ロシアでは伝統的なスペルト小麦は現代の小麦の野生の原種である。高たんぱくで低アレルゲンであるためとても健康的な食材で、これから作られる粥は美味しいナッツの味がする。
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