1970年代、1980年代の食料不足の時代、ソビエトの商店にはデザートを作るための食材がそれほどたくさん売られていなかった。家庭でお菓子を作るときの基本的な材料は誰にとってもたいてい同じもので、バター、小麦粉、砂糖、卵、それに牛乳かサワークリームであった。主婦たちがいつもと違うケーキで訪問客を驚かせるには、味ではなく、その見かけを工夫するしかなく、その創造性は無限大であった。
チョコレートとごく普通の白いビスケットで作られた“ゼブラ・ケーキ”は異国の動物の表面の模様に似せられていて、訪問客、とりわけ子どもを喜ばせるには十分なインパクトがあった。
ケーキのレシピは、シンプルなものとより洗練されたものの2通りある。シンプルな方は単に2色のケーキを別々に焼いて、一つにするというもの。しかし料理好きなら、縞模様が全体に入ったホールケーキを焼くだろう。ここでは料理の経験豊富なソビエト女性たちが作っていたこちらの“ゼブラ・ケーキ”をご紹介したい。
材料:
- 小麦粉 2カップ
- 砂糖 2カップ
- 溶き卵 5個分
- バター 200g
- サワークリーム 1パック
- ココアパウダー 大さじ3
- ベーキングパウダーまたは重曹 小さじ1
作り方:
1.溶き卵に砂糖を加えて泡立てる。
2.ふるいにかけた小麦粉2カップ、ベーキングパウダーまたは重曹(レモン汁を加えてもよい)、溶かしたバター、サワークリームを加えて、しっかり混ぜ合わせる。
3.生地を2つに分け、1つにココアパウダー大さじ3を加える。なめらかになるまで混ぜる。白い部分に使う生地はそのままにしておく。
4.ケーキ型に油を塗る。まず真ん中に白い生地大さじ3を置き、そのあとココアを加えた生地を大さじ3置く。混ぜないようにする。楊枝で真ん中から端に向かって8本の線を入れる。
5.180度に予熱したオーブンで50–60分焼く。中が生焼けの場合は、アルミホイルで覆い、中に火が通るまで焼く。
6.サワークリームと砂糖のホイップクリームとチョコレート(溶かしバターとチョコレートを混ぜて作る)でケーキの上に縞模様を作ってもよい。