「悪魔の」チェリー、またはキジルと言われても、ピンとこない人がほとんどのはず。これはセイヨウサンシュユ。クリミア半島や一部の中東地域などで生息する植物。
なぜ「悪魔の」チェリーと呼ばれているのだろうか。クリミアの一説によれば、悪魔は春に美しい花を咲かせ、果実のなるセイヨウサンシュユの木をほしいと、アラーの神にお願いした。だが悪魔は晩秋まで待つことができず、手に入れる機会を逃してしまった。秋になると、人々は森に行き、真っ赤なチェリーを狩ることができるようになった。
もう実る季節だから、悪魔みたいに待つ必要はない。簡単に買うことができるから、ロシア・ビヨンドのヴァレニエ(果実煮)、飲み物、菓子のレシピから好きなものを選んで、つくってみよう。
セイヨウサンシュユは調理するとクランンベリーのように見えるが、苦みはない。抗酸化物質、アントシアニン、ビタミンC、ペクチン、その他の栄養成分が含まれるため、さまざまな病の良い治療薬になる。
最も熟したセイヨウサンシュユ(250グラム)を選定する。鍋に熱湯(4カップ)を入れ、浸して5時間置く。次に、鍋を火にかけて、沸騰したら30分弱火で煮る。涼しい場所に1時間置く。ザルにあけて、液体をわける。ザルに残った果実から種を取り除き、実をモルスに加え、ハチミツまたは砂糖(100グラム)を加えて、良く混ぜる。
セイヨウサンシュユ800グラムに対して砂糖1キロを用意する。砂糖に水2カップを入れて火にかけ、シロップ状にする。ここに洗ったセイヨウサンシュユを加え、沸騰させて10分弱火にかけ、気泡を取り除く。一晩置き、次の日にまた10分弱火にかける。ヴァレニエが水っぽ過ぎる場合は、さらにもう一度火にかける。
コーカサス地方では、セイヨウサンシュユのレヴァシがよく食される。セイヨウサンシュユを洗い、種を取り除き、均質な塊になるまで煮る。板上に薄く広げ、外気で乾燥させる。
ハパマはアルメニアのカボチャ詰め料理。新年からクリスマス(アルメニアでは1月6日)にかけてふるまうのが伝統。
材料
つくりかた
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。