トルコストリームはヨーロッパにとってどんな意味を持つか

トルコストリームの開業式。ブルガリアのボイコ・ボリソフ首相、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領。

トルコストリームの開業式。ブルガリアのボイコ・ボリソフ首相、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領。

Sergey Guneev/Sputnik
 トルコを通る新しいルートによって、ロシアのガスはヨーロッパ諸国にとってより手頃なものとなりそうだ。

 新年の幕開けは、ロシアの野心的なエネルギー政策にとって幸先の良いものとなった。12月に中国へのパイプライン「シベリアの力」が始動したのに続き、1月8日、ロシアとトルコ、セルビア、ブルガリアの首脳がガスパイプライン「トルコストリーム」の開業を公式に宣言した。トルコストリームは、トルコを経由してヨーロッパ南部と南東部にガスを届ける、長年待ち望まれたインフラプロジェクトだ。 

 しかし、イスタンブールで行われた開業式がガス供給の出発点というわけではない。いくつかのヨーロッパのパートナーらは、一足先にガスの供給を受けていた。ブルガリアは1月1日に、ギリシアと北マケドニアは1月5日にガスの輸入を開始していたのだ。

資料:Gazprom

 トルコストリームは、すでに米国の最新の経済制裁の対象となっているが、ウクライナからかつてのヨーロッパのパートナーらを切り離したことには変わりない。しかし、このパイプラインはヨーロッパの潜在的な顧客に何をもたらすのだろうか。

 

主要参加国 

トルコストリームの建設

 トルコストリームは、それぞれ年間157億5000万立方メートルのガスを運べる2本のパイプラインから成る。1本はロシアからトルコへ、もう1本はトルコからバルカン諸国へとガスを送る。 

 930キロメートルに及ぶパイプラインは、アナパ市近郊のルースカヤ圧縮ステーションから発し、ブルガリア国境から20キロメートル地点にあるトルコのクユキョイ村に至る。すでにパイプラインで結ばれているブルガリアとギリシア、北マケドニアに加え、2020年半ばにはセルビアが、2021年頃にはハンガリーが、そして2022年頃にはスロバキアが参加する見込みだ。

 ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長は、ロシアにはトルコストリームのパートナーらに少なくとも110年間ガスを供給できるガス埋蔵量があると確言している。

 

価格は手頃でリスクも少ない? 

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領

 「トルコストリームによるロシアのガスの供給は、トルコと黒海地域の経済にとって重要であることは間違いないが、それに加え、多くの南欧諸国の発展にプラスの影響を与え、ヨーロッパのエネルギー安全保障そのものの改善にも資するだろう」とイスタンブールで行われた開業式でロシアのウラジーミル・プーチン大統領は語った。専門家らもこの見方に同調しているようだ。

 分析財務テクノロジーセンターの上級アナリスト、アントン・ブィコフ氏の考えでは、世界の天然ガス需要は今後数十年間高まり続け、トルコストリームを通るガスは南欧諸国にとってはウクライナを通るガスよりも安くなるという。「こうした国々はより安い燃料を手に入れることになり、理論上は競争力が高まり、経済生産性が増し、トランジット輸送の利益を得ることになる」と同氏は述べる。

 

 ブルガリアとセルビアはすでに、ウクライナからトルコストリームへとトランジット経路を切り替えることで得られる潜在的な利益に言及している。セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は、同国経由でガスをトランジット輸送することで年間1億8500万ドルの利益を得るだろうと話し、ブルガリア最大のガス供給企業ブルガルガスは、新経路によって年間のトランジット輸送費用を年間約4650万ドル削減し、平均的な消費者向けのガス価格を5パーセント下げることができると見積もっている。 

 さらに、ヨーロッパのパートナーらは、今後あり得るロシア・ウクライナ間のガスをめぐる駆け引きに巻き込まれるリスクを回避できる――そう指摘するのは、金融マネジメント高等学院分析学科のミハイル・コガン学科長だ。「キエフは、ヨーロッパへのトランジット輸送に関するガスプロムとの契約を5年延長できたものの、直接損失を被ることになるだろう」と同氏は言う。ルーマニアとモルドバを除き、ウクライナはすでにトルコストリームによってかつての顧客を失っている。これは年間4億5000万ドルの損失を意味する。

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