ロシアで信頼できるパートナーを見つけ、合弁事業を開始する方法

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 ロシアでビジネスを始めるなんて、大変すぎる仕事に見えるかもしれないが、比較的「安全」な選択肢として――現地の企業と提携する道がある。

 市場に空いている特定市場があることや競合相手がいないこと、利益率上昇のチャンスーーこうした要因は、今なお制裁という形での経済的な「封鎖」が行われているにもかかわらず、事業拡大を図る多くの国際投資家や企業にとって、ロシアを魅力的な場所にしている。

  ただ傍観しているだけではない企業もあることはあるが(例えば、中国のアリババのように)、他の企業はまだ、ロシアの法律の複雑さや確かさのせいで避けている。単独で市場に参入するのは難しいかもしれないが、すでに市場で稼働しているロシア企業とパートナーシップを結ぶ方法は、比較的容易で人気だ。とりわけ、ここ数年、合弁事業登録に関するロシアの法律上の手続きが簡略化されたことが前提となっている。

1.その会社のバックグラウンドを調べる

 候補となるパートナーを決めることは重要だが、その会社は本当に信頼できるところだろうか? 役に立つオフィシャルなオンライン情報がたくさんある。

 まず、法的能力を確認しよう。パートナーとなるのが会社の場合、ロシアで公開されている企業登録簿(ロシア連邦法人登録簿)で、その会社が抹消されていないか、倒産していないか、取締役が誰かなどを確認することができる。

 次に、連邦政府のリソース、または現地の裁判所のウェブページ上で裁判記録をチェックする。そこで、裁判に関する明確な情報(審理の対象者、請求金額など)や、訴状や判決など裁判所によって発行された関連文書のコピーを見ることができる。

  その会社の財務諸表を確認しよう。ロシアの全企業の会計報告は、ロシア連邦統計局(Rosstat)によってオンライン上に掲載されている。ここでは、会社の純資産および利益、ならびに前会計年度および前々年度の評価損に関する情報を見ることができる。

 さらに追加的なソースも利用しよう。ロシアには、上記のものやその他のリソースからの情報を自動収集し構造化したものを提供してくれるサービスが多くある。それらは、企業の法的および経営的なこれまでの「歴史」を明確に見せてくれる。 (例えば、Spark-interfaxkontur.focus

2.合弁事業を登録する

 ロシアで法人格を取得する手順は、二つの部分に分かれている――申請書の公証による認定と登録機関(連邦税務局)への申請だ。

 公証による認定

 公証人は、企業者の法的能力を確認できる書類を受け取り、申請書を認定してくれるだけだ。ロシア語以外の言語で書かれた書類には、証明を受けたロシア語訳を添付しなければならない。

 公証に出す前に、申請書には将来の株主が直接サインしなければならないことを覚えておこう。つまり、外国人なら、いくつかの書類にサインするためにロシアに行かなければいけない。

 そのため、実利的な見地からすると、ロシア側のパートナーに会社を設立させて、新たにできた法人で株式を購入する方がよい場合もある。こうした取引は、代理人を通して行うことができる。

ロシア連邦登録簿(USRLE)への法人格の登録

 申請書が正式に作成されたら、登録書類とともに登録局(連邦税務局)に提出しなければならない。提出から3日以内に、当局はUSRLEに新たな事業体を組み込む、あるいは却下する。却下された場合には、いかなる提出書類も申請者には返却されないことを心に留めておこう。法人格付与手数料は4千ルーブル(60ドル)だ。

3.株主契約(SHA)を結ぶ

 株主間契約の導入は、ロシア法ではまったく新しいものだが、急速に普及してきている。SHAの交渉中に、株主間で議論される問題がいくつかある:

資金調達

 合弁事業の資金調達は、一般的に二つの方法がある――一般的に会社の事業活動の初期段階に企業運営のための「保証」として提供される拠出資本(直接投資)と、後に調達する貸付だ。SHAは、すべての株主の「役割」を考慮して、そうした資金供給の条件と期間を規定することができる。例えば、貸付のような古典的な形での立ち上げでモデルとなる資金調達は、おもに投資家による資金提供だ。投資家は、できるだけ早く資金を回収したいと考える。このことを考慮して、SHAの規定では、投資が返還されるまでは、会社の利益が分割されないことを謳うこともある。

総会での投票

 株主らが議決権株式を同数保持している場合、SHAは「こう着状態」を回避するために、株主総会で決議された事項について、定められた方法で投票するよう要求することがある。

 逆に、一人の株主が他の株主(たち)よりも多くの票を得た場合、損失から保護するという同意によって、その株主の権限を制限することがある。ほぼすべての非上場企業のSHAは、少数株主の同意を得なければ特定の取引(例えば、知的財産権の委譲や過度の自社資産の保有)を認めないという条件を定めている。

オプション取引

 株主の一人が合弁企業の行動規範に違反した場合、パートナーらは例外なく、その株主の株式を割引で購入したい、あるいは、割増価格でその人物に売却したいと考える。この件については、株主間契約に、SHAのプットオプション、またはコールオプションが包含されることが多い。これは、投票手続違反や非競争条項違反といった、定められた違反に対して発効する。

 オプション取引は、「積極的」な運営のために株式を取得する権利を付与することもできる。例えば、多くのグローバル企業で最高経営者を鼓舞する手段として用いられているような方法だ。アップルのティム・クックグーグルのサンダー・ピチャイのように、経営陣が会社を成功裡に動かせば自社の株主になれる。

合弁事業を始めるコツは、あらゆるありうる状況に適用されるわけではない。それぞれのケースは最新の法律に則って個別に見なければならない。

マクシム・サフューリンは、ロシアでの投資や企業を目的とする外国の起業家の支援を専門としたA2弁護士事務所の経験豊富なスぺシャリストだ。彼の専門分野は、企業法とM&A(合併と買収)取引だ。

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