ロシアでゼロから会社を立ち上げることはかなり厄介なことに思われるかもしれないが、既存の会社を買収してすぐに「金儲け」に取り掛かれるとしたら、どうだろう。
ルーブル安–コスト減
ルーブルのレートの変動や時折生じる経済の不安定さなど、ロシアでのビジネスにつきものの固有リスクもあるが、一方でロシアの会社の購入を魅力的な選択肢にしているいくつかの好ましい要因もある。
まず、ロシアの会社は比較的安価である。広告サイトのAvitoが4月に行った調査によれば、既存の会社を平均340万ルーブル(約590万円)で購入することができる。これは去年より7パーセント低い値だ。ルーブルの値下がりで、人件費や知的財産、資源など、あらゆるものが以前より安価になっている。
次に、ボードゲームの国際チェーンのモスイグラーとブラボー・レストランの創設者ドミトリー・キプカロ氏によれば、ロシアでの知的産物の開発がますます収益の高い事業になっているという。
「例えば、ロシアのIT専門家はアメリカの5分の1の額しか稼いでいない。これはアーティストやデザイナー、その他のフリーランサーにも当てはまる。もし自社製品を国際市場で売り出すなら、ロシアで生産したほうが費用は断然安い」とキプカロ氏は言う。「国内市場に関しては、ロシアの多くの会社が経営難に直面しているため、強力な競合相手にはならないだろう。」
自社製品をロシアで試してから輸出に回すほうがリスクを軽減でき、費用も抑えられるとキプカロ氏は指摘する。最後に、BMS法律事務所のパートナー弁護士、デニス・フロロフ氏によれば、外国人が会社を買収することに法的な障壁は一切ない。
「新会社を登録する際に求められるのとほぼ同じ法手続きが必要だ。外国人は合法的にロシアに滞在していることを証明する必要がある」とフロロフ氏は説明する。「ロシアの条件はかなり緩く、外国人が会社の株を100パーセント独占しても構わない」
どこで何を買うべきか
Avitoの報告では、ロシアで売りに出されている最も高価な会社の業種は農業(1050万ルーブル)と製造業(770万ルーブル)で、建設業(420ルーブル)がそれに続く。ビジネスの価格は概して下落傾向にあるが、需要の増加に伴って価格が上昇している分野が2つある。建設業とオンラインショップで、価格は昨年一年間でそれぞれ11パーセントと15パーセント上昇した。
会社の価格が特に高い上位10都市は、ロストフ・ナ・ドヌ、モスクワ、クラスノダール、チュメニ、サマーラ、エカテリンブルグ、ノヴォシビルスク、サンクトペテルブルグ、サラトフ、ウファだ。
*ロシアでビジネスをする覚悟があるという方は、ロシア在住アメリカ人のアンディ・フレッカ氏が自らの経験を基に伝授する、ロシア人ビジネスパートナーとの出会いを成功させて互恵的な協力関係の土台を築くためのコツをチェックしよう。