ポベダが世界最速成長LCCに

ヴィターリイ・ベロウソフ/ロシア通信
 「ポベダ」は世界の格安航空会社(LCC)の中で、最も速く営業利益を増やした会社になっている。

 国営航空会社「アエロフロート」の子会社であるLCCポベダの2016年度の営業利益の増加率は、世界第1位であった。航空業界の月刊誌「エアライン・ビジネス」の調査を、ポベダ広報課が伝えている。

 エアライン・ビジネスは今月、2016年度のLCCの営業活動のランキングを発表。ポベダは営業利益の増加率で世界のLCCの中で第1位となった。また、昨年度の搭乗率は7%増の88%で、上昇においてヨーロッパ第1位になった。

 エアライン・ビジネスによれば、ポベダの旅客輸送の増加率も世界の指標の3倍以上になっているという。世界のLCC市場が10.8%拡大している一方で、ポベダは38.7%の成長を示した。

LCCポベダとは

 LCCポベダはアエロフロートの傘下の会社で、モスクワのヴヌコヴォ国際空港を本拠空港としている。創業は2014年。昨年度の純利益は30億ルーブル(約58億円)。昨年は430万人を輸送し、ロシアの民間航空会社の中で第6位になった。

成功の秘訣

 ポベダの成功には複数の状況が関係している。「国民の収入の減少が続いていることを背景に、航空券で節約をしなければいけなくなっている。この状況において、LCCサービスへの需要が著しく高まったのは明らかで、ポベダは利益をあげることができた」と、全ロシア・中小企業団体「ロシアの支柱」のパーヴェル・シガル第1副理事はロシアNOWに話す。

 ポベダがロシアで唯一のLCCということと、成長に直接的な関係があると、ロシアのFX会社「テレトレード」のアナリスト、マルク・ゴイフマン氏は話す。「イタリアのブルー・エクスプレスやイギリスのイージージェットといった外国のLCCの多くが、ロシアから、不況で採算を取れないことを理由に撤退した。そのため、市場には競合がほぼいない」とゴイフマン氏。

 さらに、ポベダはアエロフロートのグループに入っている。「両社の共通のコストを分配できるため、これは重要。また、ポベダの活動には資金的な援助(親会社からの)がある」とゴイフマン氏。

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