「一帯一路」の経済と政治

2017年5月17日 ヴィタ・スピヴァク
 北京で開催された「一帯一路」の国際会議で、ウラジーミル・プーチン大統領は、特定の経済問題に踏み込むことなく中国の習近平主席との個人的な関係を再確認した。同時に、特別な注目も浴びていた。ロシアはフォーラムの政治的な成果に満足する必要がある、と専門家。
Chinese President Xi Jinping
中国の習近平主席、中国・北京、「シルクロード経済圏構想」(一帯一路)の国際会議における歓迎宴会、2017年5月14日  =Reuters

 「シルクロード経済帯・21世紀海上シルクロード(一帯一路)」の始めての国際会議が5月14~15日、中国の首都北京で開催された。この会議は、中国が4年をかけて発展させた外交政策「一帯一路」の重要な段階である。

政治的成果と経済的成果

 「モスクワ・カーネギー・センター」アジア太平洋におけるロシア・プログラムの責任者アレクサンドル・ガブエフ氏によれば、この会議でロシアが得られた成果とは、かなり政治的なものだという。

 「プーチン大統領は開幕式で、習主席の後に演説した。これは中国にとってのロシアの重要性を強調するもの。また、プーチン大統領が習主席とともに開会したとロシア・メディアに言わせる材料となった。ただ、中国メディアは習主席の演説の全文を公開し、外国の賓客の演説を一部しか伝えなかったのだから、完全な真実ではないが」とガブエフ氏。

 具体的な経済的成果と言えるのは、中国北東部とロシア極東の協力を推進するための「中露地域協力発展投資基金」の設立のみである。

 協力の経済的な内容の詳細の詰めが、7月に予定されている習主席のロシア訪問まで延期されたことは明らかだ。

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一帯には一人のリーダー?

 一帯一路構想と会議は、重要な政治行事「中国共産党第19回全国代表大会」を控える中国で、習主席の功績になると考えられている。中国政府は何が何でも成功させようとしていた。

 ガブエフ氏は最近の論文で、一帯一路構想には達成指標がないため、中国は発展のあらゆる結果を偉大な成果として発表できると指摘している。

 「モスクワ国際関係大学」東アジア・上海協力機構研究センターの上席研究員イーゴリ・デニソフ氏はこう話す。「中国の国家的なピーアールという観点からすれば、会議はかなり良好に進んだ。世界中のさまざまな報道機関が一帯一路について伝えた。さらに、ジャーナリストはほとんど会議の進行役をしていた。多くの記事で、中国を世界経済の救世主役のように伝え、一帯一路を長期的な形勢を一変させる戦略としていた。中国が実際にはこのように予定していなかったとしても、このような見方はプラスになる」

えり好みする投資家

 中国が一帯一路を発表してから4年が経過したが、ロシアにはまだまだやらなくてはいけないことがたくさんある。

 両国は2015年、ユーラシア経済連合(EEU)と一帯一路の連携協定を結んだ。協定の最大の成果は、EEUと中国の自由貿易圏に関する話し合いが始まったことである。この自由貿易圏は、様々な予測によれば、10年から20年継続するだろうという。

 ロシアは一帯一路の最も積極的なパートナーの一国と考えられているものの、現在進行中の二国間の具体的なプロジェクトはそれほど多くない。

 「何よりも、中国は一帯一路を進めながら、自国の利益に沿っている。中国は隣国に小銭を配ろうとはしていない(小規模な投資をする意思はない)」と「スコルコヴォ・モスクワ経営大学院」中国研究所のオレグ・レムィガ所長は話す。

 中国の投資家は融資するプロジェクトに対して、かなりえり好みをするようになっている。中国が昨年、一帯一路の関係国に投資した額は、3年ぶりに減少した。

「一帯一路」政治バージョン

 ロシアの中国問題の専門家は、一帯一路の現実的な経済の内容について、より懐疑的になってきている。ユーラシアの一帯一路の陸上輸送路は輸送時間の削減になるが、海上輸送は少なくとも50%割安になる

 一帯一路の内容に対する批判や中国の進め方の意向に対する批判はあるものの、中国は依然として、世界有数の投資国である

 しかしながら、「中国の投資家は経験を積んでいて、より実利主義的になっている。プロジェクトの準備状態が悪く、適切にプレゼンされなければ、中国の融資は得られない。この点で、ロシアは例外にはならない」とレムィガ所長。

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