DMG森精機が供給業者をロシアに

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 ロシア西部ウリヤノフスク州で、サプライヤー・パークの創設作業が始まった。サプライヤーはここで、現地生産化を行い、ロシアで工作機械製造分野を強化する。

 日独工作機械メーカー「DMG森精機」は、ウリヤノフスク州行政府と共同で、工業団地「ザヴォルジェ」(モスクワの東900キロ)内にサプライヤー・パークを創設しようとしている。工業団地に工作機械用の部品の製造を移管するサプライヤーとの最初の契約が、今年にも結ばれる見込み。ウリヤノフスク州のセルゲイ・モロゾフ知事が10日、モスクワでこれを明らかにした。

 モロゾフ知事によれば、現在、チェコ、オランダ、日本の工作機械部品の大手サプライヤー3社と活発な交渉を行っているという。世界有数の工作機械メーカーであるDMG森精機は、2015年にウリヤノフスクで製造を開始した。現在はロシア市場への参入を拡大するため、部品を供給する協力メーカーをここに集めようとしている。ウリヤノフスク州で製造されているDMG森精機の工作機械は今日、同州の航空機メーカー「アヴィアスタルSP」および自動車メーカー「UAZ(ウリヤノフスク自動車工場)」で使用されている。「現在、DMG森精機の工場はロシアでナンバーワン。今年にも回収できる見込み」とモロゾフ知事。

 サプライヤー・パーク用地はすでに割り当てられており、ライフラインおよび通信網も設置済み。地元のマスメディアは先に、DMG森精機がこのプロジェクトに400万ユーロ(約4億6000万円)を投じる予定であることを伝えていた。「DMG森精機には世界中にたくさんのサプライヤーがいるため、我々は今年、特別に『開放された扉の日』を実施した。同社のすべてのサプライヤーにロシアに来てもらい、ウリヤノフスク州だけでなく、ロシアの他の工業地域の潜在的な注文量を試算してもらった」とモロゾフ知事。

 「我々は現在、当州で活動するロシアおよび海外の工作機械工場の統一サプライヤー・センターを創設するため、ロシアの工作機械メーカーと協議している」とモロゾフ知事。

 ウリヤノフスク州のデータによれば、同州の有資格労働者の賃金は中国よりも20~30%安く、一般労働者の平均給与は2万ルーブル(約3万8000円)を少し上回る程度。ウリヤノフスク州の産業は11年連続で成長していると、モロゾフ知事。「2017年第1四半期、ウリヤノフスク州は自動車生産および航空機生産を含む工業生産で、国内有数の成長速度を示した」

 

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