ロシアのワイン、世界に打って出る

クラスノダール地方、「アブラウ・ドゥルソ」ワイナリー=

クラスノダール地方、「アブラウ・ドゥルソ」ワイナリー=

ヴィターリイ・ティムキフ/タス通信
 ロシアが世界市場へのワインの大量輸出を画策している。一方では国内市場へのワイン原材料の輸入を5-7年にわたり制限する計画だ。斯界の専門家らがロシアNOWとともに帰結を占った。

国産に資金を傾注

 「ロシアは現在ワイン生産量で世界11位に甘んじているが、増産は現実的な可能性としてある。輸出分を設けることも可能だ」。ロシア新聞の取材に応じたアレクサンドル・トカチョフ農業大臣はこう述べている。

 ロシアではこの2-3年の間にワイン産業および法制の面で一連の重要な変化があった。まず、ライセンスの価格が下がった。そして、ワインが「農産品」に格上げされた。つまり、ワイン農家が国の財政支援を受けられるようになったのだ。

 ブドウおよびワインの製造に対する国の支援額は昨年、ほぼ4倍に増大し、3750万ユーロ(46億円)となった。今年も措置は拡大され、昨年と同等またはそれ以上の支援が行われる計画という。

 

輸入制限

 これと並行して、農業省は、ワイン原材料の輸入を制限する計画を策定中だ。ロシアの工場で作られるワインの3分の1が輸入の原材料を使用している。

 「ロシアのワイン市場は3つのカテゴリーに分けられる。それぞれ規模は同等だ。まず、ロシアのブドウから作られた、ロシアのワイン。次に、ロシアでボトリングされる、輸入ワイン。そして、輸入原材料をもとに製品化され、ロシアの銘柄として販売されるワイン」。プロジェクト「ナーシェ・ヴィノー(我らがワイン)」を率いるドミトリー・コワリョフ氏がロシアNOWに対し語った。

 同氏によれば、最も大きな変化を被るのは、このうち第3のカテゴリーとなる。この領域をロシアのワイン農家が占めることが期待されるのだ。

 「その目的で、原材料の輸入が制限されるかも知れない。そうすればロシアに正常な競争が起き、ワイン産業が発展する」とコワリョフ氏。

 

黒海産ワインに集まる注目

 「フランスでもどこでも、外国では、最高のワインは小規模農家が作るものだ」とコワリョフ氏。同じような小規模ワイン農家が今、ロシアにも現れ始めているという。

 世界の市場では厳しい競争が行われているが、ロシアがグローバルなプレイヤーとなる見込みはそう低くない、と語る専門家もいる。

 「ロシアのワイン農家は2008年または2009年以降、定期的に、国際的な品評会に参加している。ロンドンではロシアのワインがここ5-6年で300あまりの賞を受賞している」。連邦・地域アルコール市場調査センターのワジム・ドロビズ所長がロシアNOWの取材に応じて述べた。

 氏によれば、ロシアのワインは十分に国際競争力があり、欧州の銘柄ワインとも渡り合うことができるレベルにある。それでもグローバルな市場に打って出るには、なお10年の月日が必要だ、という。

 「欧州では今、ワイン産業の発展が見込める地域として、黒海沿岸に高い関心が寄せられている。つまりブルガリア、グルジア(ジョージア)、ロシアの沿岸に。黒海沿岸の長所は、晴れの日が多いこと、そして土壌の多様性だ。こうしたことにより、カベルネ、ソーヴィニヨン、シラー、グルナッシュ、ピノ・ノワールなどの品種から、芳醇な赤ワインができる」とのこと。

ロシアのワイン産地

 ロシアのワイン産地には、クラスノダール地方、クリミア、セヴァストーポリ、ロストフ州、コーカサス地方の諸共和国がある。 ロシアでは法令によりワインの地理的表示保護が定められている。ワインの原料の栽培および製品の製造が特定の地域でなされていることを示すものだ。「クバン」(クラスノダール地方)、「ドン渓谷」(ロストフ州)、「スタヴロポリ」(スタヴロポリ地方)、「ダゲスタン」(ダゲスタン共和国)、「テレク渓谷」(カバルダ・バルカル共和国)、「ニージニャヤ・ヴォルガ」(アストラハンおよびヴォルゴグラード州)、「クリミア」(クリミア共和国)のワインがそれにあたる。