ロシアの菓子や飲み物がアジアへ

ロシアのチョコレート「アリョンカ」=

ロシアのチョコレート「アリョンカ」=

Flicrt/ Todd Lappin
 ルーブル安が2年前に始まって以来、外国人旅行者はロシア産の食品を多く購入するようになった。また、食品メーカーも中国、日本、インドネシア、その他のアジア諸国への輸出を増やしている。

 中国の習近平主席はロシアを訪問すると必ず、ロシアのアイスクリームを頼む。この熱い要望を受けて、ウラジーミル・プーチン大統領は主要20ヶ国・地域(G20)首脳会議(2016年9月4~5日)で中国杭州を訪問した際、習主席にアイスクリームを段ボール箱ごとプレゼントした。 

 中国人旅行者もロシアのアイスクリームが大好きで、中国にロシア・アイスの工場を建てる計画まで浮上している。ロシア産食品のアジアへの輸出が最近増えていることから、当地の消費者が珍しい食べ物を口にできる機会も増えている。

 

チョコレート

 「アリョンカ」、「ババエフ(ババエフスキー)」、「ロシヤ」のチョコレートは外国人旅行者の間で人気が高く、現在、アジアへ輸出されている。

 「アリョンカは中国で販売されているチョコレートの中で最も人気のあるブランド。ババエフスキー、『ヴドフノヴェニエ』のチョコレートの人気も高まっている」と、この3つのブランドの所有者である東ヨーロッパ最大の製菓ホールディング「オブエディニョンヌィエ・コンジテルィ(合同製菓商)」のデニス・ウサリョフ営業部長は話す。

 アリョンカの中国での昨年の販売は前年同期比で6倍に増えており、今年の販売はそれ以上になりそうだと同社は考えている。中国では電子商取引のウェブサイトや現地の店で販売されている。日本では、電子商取引のウェブサイトのみでの販売となっている。

 

ウエハースとケーキ

 ロシアの製菓業界は、アジア市場向けの、現地の人の好みに合わせた特別な製品を開発している。

 「『コロフカ』のミルククリームとチョコのウエハースは、当社の中国の主力商品。アリョンカ・ケーキの約5割も中国に輸出されている」とウサリョフ営業部長。

 「ユビレイノエ」ビスケットは1913年初めに立ち上げられ、国内で人気が高まっていったブランド。アメリカの食品会社「モンデリーズ・インターナショナル」は2007年、ユビレイノエを買収し、「ベルヴィタ・ブレックファスト」に名前を変えた。ベルヴィタのビスケットは2015年、中国とインドネシアで発売された。ベルヴィタは世界的な朝食の象徴となり、売上高はここ数年、年間約20%の勢いで増えている。

 

バランス栄養食品

 有機食品市場のシェアも近年拡大している。栄養食品ブランド「テイク・ア・バイト」は2015年、香港、中国、シンガポールでの活動を始めた。

 合同製菓商が所有しているブランド「エコ・ボタニカ」も、アジア市場に参入しようとしている。

 

ベビーフード

 ロシアのベビーフード市場の最大手「フルトニャニャ」も、中国の食品市場に参入した。

 フルトニャニャの中国展開を支援している、中国貿易の専門商社「ユーチャイナ」の共同創設者で営業本部長のアルチョム・ジダノフ氏はこう話す。「フルトニャニャの製品が積載されている40フィートのコンテナを2つすでに受け取っており、3つ目を待っているところ。最初の委託販売品は中国の提携業者、流通業者、貿易プラットフォーム、食品見本市に納入される。ブランドの認知度を高め、ブランド名を促進するため」

 フルトニャニャの商品は、果物飲料、ジェリー、デザート、果物ピューレ、ミルク、ミルクシェイクなど、200品以上ある。今後は、妊婦や授乳中の母親向けの個別の商品ラインも始める予定。

 

ビール

「バルチカ」ビール=写真提供:ロシアNOW「バルチカ」ビール=写真提供:ロシアNOW

 「バルチカ」は、アジアに輸出された最初のロシア・ビール。日本、ベトナム、マレーシアで購入できる。

 ロシアのビール醸造会社「オチャコヴォ」は今年6月、ロシア通商代表部の支援を受けて、日本でライセンス生産を始めた。現在、酒類の小売りチェーン「やまや」で3種類の缶ビールが販売されている。 

 やまやの福間啓介商品開発部長は、ロシアNOWの取材に対し、ロシア産ビールが購入者の間で人気があると話した。やまやは今後、ロシア産ウォッカの販売も検討していく。

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