国内最大の石油掘削施設完成

タス通信

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「サハリン1」プロジェクトの一環として6月27日、ロシア最大の石油採掘プラットフォームが稼働を開始した。高さは50階建てのビルに相当する。このプロジェクトの株主はアメリカの「エクソンモービル」、ロシアの「ロスネフチ」、日本の「サハリン石油ガス開発株式会社(SODECO)」、インドの「ONGC」。

業界の世界記録を複数更新

 稼働を開始したのは「ベルクト(イヌワシ)」プラットフォーム。設置場所はサハリン島北東沖25キロメートルのアルクトゥン・ダギ鉱区。世界最大の石油生産会社「ロスネフチ」広報部によると、プラットフォームは長さ105メートル、幅60メートル、また基礎つき高さは144メートルで、50階建てのビルに相当するという。

 プラットフォームの製造、輸送、組み立ては業界の世界記録をいくつか更新した。プラットフォームの基礎つきの総重量は20万トン以上になる。これは世界最大。近々防火システムが稼働し、住居モジュールへの引っ越しも始まる。掘削は必要な試験が行われた後、秋に開始予定。この鉱区の開発によって、サハリン1には年間最大450万トンの追加的な石油がもたらされる。

 ロシアの投資会社「UFS」のマクロ経済アナリストであるワシリー・ウハルスキー氏はこう話す。「石油ガス採掘プラットフォームの開設は重要なできごと。これはロシア最大であり、世界有数の技術的掘削プラットフォームであるため。ロシアで開発された、動力において世界に比類なき掘削装置が設置された」

 プラットフォームは、厳しい亜北極条件下で1年中稼働できるようにつくられている。世界初の耐震システムが採用されており、震度9(ロシアの震度は12段階)の地震があっても能力を落とさずに稼働を維持できる。またマイナス44度でも、18メートル以上の津波が襲ってきても、厚さ2メートルの氷の圧力がかかっても稼働できる。

 プラットフォームの開設の指揮をとったのはウラジーミル・プーチン大統領。北極圏ペチョラ海大陸棚にある、ロシアの国営ガス会社「ガスプロム」の石油プラットフォーム「プリラズロムナヤ」にGOサインを出したのも、プーチン大統領だ。

 プーチン大統領は「ベルクトのようなプロジェクトのおかげで、資源豊富でありながら、接近の難しい鉱区で活動を始め、新しい生産拠点を創設し、新しい雇用を生み、総じてロシアのもっとも重要な地域である極東の社会・経済発展を強化することができる」と述べていた。

 

“一石三鳥”の重要なプロジェクト

 ロシアの投資会社「フィナム・マネジメント」の上級専門家であるドミトリー・バラノフ氏によると、ベルクトの稼働開始はロシアが大陸棚での活動を拡大していることを如実に示しているという。「このプラットフォームの建設と稼働は、付随するインフラも発展させるため、極東の社会・経済発展を加速させる」

 サハリン1は生産分与契約の範囲で行われた初の大規模な大陸棚プロジェクトだったため、国際的な大手企業を招くことができた。出資比率はエクソンモービル30%、SODECO30%、ロスネフチ20%、ONGC20%。

 サハリン1プロジェクトで6400万トンの石油が採掘されたが、採掘量は徐々に減少しており、今年は昨年と比べて6%減の660万トンまで減る可能性がある。アルクトゥン・ダギ鉱区の採掘は現状打開になる。ロスネフチの予測によると、サハリン1プロジェクトの採掘量は2018年までに年間1000万トン超になるという。

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