ロシアの不思議1 「食」

ロシアの食堂=

ロシアの食堂=

nl.monteiro/flickr.com撮影
 ロシアには日本人の私たちが知らないことがまだまだたくさんある。そこで、日本人の私がロシアで暮らして感じた、ロシアの不思議なところ、面白いところをいくつかのテーマに分けて紹介したい。今回は、ロシアの「食」に焦点を当てよう!

ロシアの中の日本食

 ロシアでは、日本食レストランを街のあちこちで見かけることができる。ロシア人にとって日本食は、健康的な料理という認識がある。最近は大都市を中心に本格的な日本食を出すお店も多くなっているが、多くのレストランでは、これって日本食?と首を傾げたくなるような料理を出しているところが多い。焼きそばを頼めば、中華麺ではなく、蕎麦をソースで炒めたものが出てくる。

 そんな中でも私が気に入っているロシア風日本食は「スシ」である。私の日本人の友達にも好評だ。驚くべきことに「スシ」は大抵のレストランやカフェのメニューに載っている。イタリア料理屋さんなのに、なぜかサブメニューに「スシ」があったりする。しかもその「スシ」は、巻き寿司を衣で揚げた「天ぷらロール」(しかも温かい)や海苔の代わりにお肉で巻いた「肉ロール」など、日本では決して味わうことのできない独創的な料理であり、「ゲイシャ」「サムライ」「キョウト」など日本らしい名前が付けられて、種類も豊富だ。「グッドバイアメリカ」なんてちょっとふざけたネーミングもご愛嬌。日本に逆輸入してみたら人気が出そうなものだ。

平出安奈撮影

ロシア人の食事

 ロシア料理では、前菜、スープ、メイン、デザートといった形がフルコースであるが、一般的なソ連式の食堂でもそれに則って料理が提供される。ロシアの食堂は半セルフサービスで、お盆を持って列に並び、係の人に頼んでとってもらう。メインディッシュを頼むと、必ずС чем? 何と一緒に食べるの?と聞かれる。ロシアの食堂では、魚や肉とともに、マカロニ、ジャガイモといった付け合わせを頼むのが一般的なのだ。初めて来たとき、そのシステムを知らなかった私は大いに戸惑ってしまった。そして食べ終わった後のお皿はすぐに片づけられる。あれ、一口残してたのにと思うこともしばしば。

 また、ロシア人は甘いものが大好きである。甘いものがなければ、お茶ってそんなに美味しくないじゃない、と言うほどだ。ロシアではコーヒーや紅茶に大量の砂糖を入れて飲む人が多い。カフェなどで飲み物を頼むとシュガースティックが大抵2本ついてくる。信じられないことに緑茶にも砂糖を入れて飲むのがロシア人だ。ペットボトルの緑茶ももちろん甘い。あるロシア人が日本に来たとき、日本のペットボトルの緑茶を買って飲んだら苦いのに驚いておもわず吹き出していたのを思い出した。もしかしたらロシアでは日本みたいにたくさん果物が育たないから、ケーキとかチョコレートから糖分を摂取するのかもね、とあるロシア人は言っていた。別のロシア人はこんなことを言っていた。「和菓子はロシア人の味覚からすると、甘いお菓子と呼んでいいのか分からないよ」

 

意外なロシアの食べ物

 ロシア料理といえば、ボルシチ、ピロシキなどが思い浮かぶが、こちらに来て驚いたことがある。ロシア人はマヨネーズをよく食べることである。ロシアのマヨネーズは日本のものより、酸味が少なく、滑らかだ。ある日ロシア人の家に招かれたとき、3種類のサラダが出されたのだが、すべてマヨネーズを使ったサラダだった。またロシア人と一緒にオリビエサラダという、伝統的で最もポピュラーなサラダを作ったとき、1回分のサラダに対して、マヨネーズチューブ1本全部を使い切っていた。スーパーマーケットに行くと色々な種類のマヨネーズを目にすることができるし、なんとバケツでも売られているのも見ることができる。

 また、ロシアといえば寒い国というイメージがあるが、ロシア人はよくアイスクリームを食べる。お店の入り口に、写真撮影禁止!と並んで、アイスクリーム持ち込み禁止!という注意書きがあるほど。夏には公園でアイスクリームを食べながら散歩をしている人をたくさん見かけることができる。冬でも毛皮のコートを着たおばあちゃんがアイスクリームをおいしそうに食べているのがロシアだ。

 そしてもう一つ。日本でスイカといえば夏の風物詩であるため、ロシアでスイカを見たときはこんな寒い国でもスイカは食べられているのかと驚いた。季節になると、大きな箱の中に大量のスイカが詰め込まれて売られている。大玉スイカを日本の1/10くらいの値段で買うことができる。ちなみにロシア人はスイカを食べるとき、まず半分に切る派と、まず輪切りにする派とに分かれるようだ。