棒付きキャンディはシンプルなのにとてもおいしい。白熱電球と同じぐらいたくさん発明されたのではないだろうか。ルーシでキャンディが知られるようになったのは、砂糖が登場した直後の13世紀。当初、砂糖は高価な材料で、皇族しか手に入れることができなかった。  年代記に初めての記述が登場するのは、1489年。

 どんな形にもなる菓子は、子どもたちにとても気に入られた。今日、伝統的な形と考えられているのは雄鶏。ロシアのおとぎ話の雄鶏、威風堂々たる鶏と、名門一家しか手に入れられなかったキャンディのイメージが重なったことが、その理由かもしれない。ただ、500年前は雄鶏のキャンディをつくることがそれほど簡単ではなかったため、家、木、魚などのもう少し簡単な形がつくられていた。

 19世紀初めまでに、キャンディはヨーロッパの大半に普及し、あらゆる年齢層、あらゆる階級の甘いもの好きのハートを奪った。子どもの好みは変わらず、19世紀の民衆版画に大きなキャンディを手にした子どもが描かれている一方で、裕福な大人はモンパンシエという少し高いキャンディを好むようになった。モスクワには、ロシア初のキャンディの大量生産に関する伝説もある。

 

アルコールがキャンディ生産に影響

 伝説によると、19世紀前半、ルビャンカ地域にはフョードルというノヴゴロド県ランドルィ村出身者がいた。貧しく、大酒を飲むことも多かった。フルーツ・キャンディをつくり、包み紙で包み、トベリ通りの「エリセエフ商店」に納入していた。ある日、二日酔いに苦しみながら、いつものようにエリセエフ商店にキャンディを納入しに行った。その日は暑く、フョードルは売り上げで冷たい飲み物を飲もうと楽しみにしていた。だがエリセエフ商店の仕入れ担当の厳しい番頭は、フョードルを怒り、キャンディを受け入れずに追い出してしまった。フョードルは酔っていて、飴を包み紙で包むのを忘れ、暑い中歩いたために、くっついてしまったのである。歩き疲れ、二日酔いでぐったりし、落ち込んだフョードルは、手すりの上に座り、そのままうとうとしていた。手すりは女子中等学校の柵の一部で、にぎやかな女子学生は飴の入った箱を持った男性に気づき、体をつついて、一すくい2コペイカで売ってほしいと頼んだ。悲しみは喜びに変わり、フョードルがお金を数えてみると、エリセエフ商店に売るよりも多くを稼いでいた。利益は一目瞭然で、フョードルは商品を女子中等学校にバラ売りするようになった。女子学生は飴を気に入り、モンパンシエという名前をつけた。これはフランス語の口語で、「私の熱中」を意味する。

 一方、フョードルは工場をモスクワ、次にサンクトペテルブルクに開業して、「ランドリン」という名前にしようと考えた。外国風で魅力的な名前になったため、フョードルは自分の名前も外国風のゲオルグに変えなければいけなくなった。このようにして、ブリキ箱に入った「モンパンシエ・キャンディ」の王、ゲオルグ王がロシアに誕生したのである。「ランドリン」という響きの良い覚えやすい名称は、長く民衆の間で定着した。

 

ソ連時代に種類増加

 ソ連の食品産業の力で、キャンディの形も色もとても豊富になった。伝説的な棒付きキャンディ「ペトゥショク(雄鶏)」と「ベロチカ(リス)」が登場したのはソ連時代。素朴、自然で、安かったことから、人気は非常に高まった。2010年、キエフにはこの2種類のキャンディの大きなモニュメントもつくられた。この2種類が最も普及した形だと考えられているが、馬、ウサギ、クマ、金魚、星も有名である。

 

材料

アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影

・   砂糖 300グラム

・   水 100ミリリットル

・   レモン汁または酢 小さじ1

・   植物油

 

つくりかた

1.     すべての材料を底の厚い鍋に入れる。

すべての材料を鍋に入れる。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影すべての材料を鍋に入れる。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影

2.     弱火にかけて、砂糖を完全に溶かす。

砂糖を完全に溶かす。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影砂糖を完全に溶かす。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影

3.     液体が黄金色になるまで、混ぜながら煮る。液体を一滴冷たい水の中に落として、出来上がり具合を調べる。液滴が水の中でかたくなったら、できあがり。

液体が黄金色になるまで、混ぜながら煮る。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影液体が黄金色になるまで、混ぜながら煮る。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影

4.     キャンディの型に植物油を塗る。熱い液体を流して、冷ます。

キャンディを冷ます。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影キャンディを冷ます。=アレクサンドラ・クラフチェンコ撮影

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