ソ連のほとんどすべての市民が、典型的なソ連のアパートに暮らし、夏には郊外にある祖母のダーチャ(サマーハウス)で過ごしたり、共同住宅の公共スペースをシェアしたりした。こうした場所のインテリアは、国全体に共通した文化コードであった。どっしりとしたクリスタルの花瓶や陶器が並べられた食器棚、窓枠に並んだゼラニウム、テーブルにかけられたレースのテーブルクロス、キッチンに掛けられた物干し用の紐・・・こうしたちょっとしたものが、ユニークな美学を持つソ連のインテリアを形作っていたのである。
当然、画家たちもソ連の日常に大きな注意を向けていた。中でも当時のもっとも興味深い作品を紹介しよう。
- ユーリー・ピメノフ、「情緒的な家庭の温かみ」、1965年
- コンスタンティン・イストミン、「窓際(室内)」、1928年
- アナトリー・レヴィタン、「暖かい日」、1957年
- ミハイル・ロギンスキー、「共同住宅の台所」、1992年
- クジマ・ペトロフ=ヴォートキン、「サモワール周辺」、1926年
- コンスタンティン・イストミン、「ヴーゾフキ(大学生)」、1933年
- ユーリー・ピメノフ、「静かなカフェ」、1971年
- ユーリー・ピメノフ、「大学の灯り」、1963年
- ニコライ・ザイツェフ、「母との会話」、1984年
- スタニスラフ・ジュコフスキー、「イースターの静物」、1915年
- イサアク・ブロドスキー、「落ち葉」、1929年
- ユーリー・ピメノフ、「部屋で」、1930年代
- アンドレイ・ツトゥノフ、「プリルキにてのポプコフ」、1974年
- ニコライ・ザイツェフ、「おばあさんのカーチャのところ」、1976年
- ユーリー・ピメノフ、「朝の買い物」、1951年
- ナタリア・エゴルシナ、「フィギュアとセミフィギュア。 キッチン インテリア」、1980年
- ユーリー・ピメノフ、「朝の窓」、1959年
- ドミトリー・ジリンスキー、「セメノフ外交官と妻と娘の肖像」、1978年