1. 建築家のダーチャ(別荘)
アレクサンドル・モトコフが建築家ルスタム・ケリモフの設計で建てたこのカントリー・ハウスは森林に有機的に融合しているとともに、すばらしい庭園も備えている。この建物は、ロシアの木造建築によくある急こう配の屋根がない。代わりに、機能的な平らな屋根があり、そこに通じる階段がついており、とってもおしゃれな作りになっている。
2. シベリアの隠れ家
道路側からはこの建物の正面は「隠れていて」見えない。しかし反対側には多くなガラス窓がついていて、まるで森林の中にいるような感じを醸し出している。この家を建てたA61建築事務所は多様な外観性を狙って白樺の木とモミの木の両方を使用した。一方内部は、非対称ながらも極めて機能的な空間となっている。
3. カヴゴロヴォのバーニャ(ロシア式サウナ)とゲストハウス
サンクトペテルブルク郊外にある隠れ家的な建物は、CHVOYA(ロシア語で松の針葉と言う意味)建築事務所が設計した。丘の中腹にあるこの建物は、階段があって湖に通じている。これは、おそらくあなたが想像するロシア式サウナのイメージとは違うだろう。建築家は、自然光とそれ以外の光と、暗い木々の部分を使った効果を生み出している。
4. バーンハウス
モスクワ州にあるこの建物はまさしくかつてロシアの村にあった納屋や小屋のようだ。建築家は100年も前の板材を正面部に使って建てており、まるで本物に見える。そして建物が周囲の自然に溶け込んでいる。
5. メザニン・ハウス
カルーガ州ニコラ・レニヴェツ村にあるこの奇妙な構造物は、森の中の鳥小屋のように見える。建築家アレクセイ・ルカが建てたこの住宅アートオブジェクトは誰でも借りることができる。外観はかなり乱雑に作られ、いくつもの素材が組み合わされているが、中にも同じものが使われている。しかし、内装はグランピング施設のようにオシャレになっている。
6. 松林の中の木の上の家
木の家を夢見なかった人などいるだろうか。ナタリア・アミロワ、ドミトリー・ツェリシチェフ、エレーナ・マカロワ、イリーナ・ママイのグループがおそらく誰もが子供の頃に夢見た家を現実のものにした。トゥーラ州にあるゼリョーナヤ・トロパ・グランピング場にある家は木の上に立っているが、木に害を与えることはない。しかも、この家、別の場所に簡単に移すことができる。内部も非常に快適で、すべてが木でできている。
7. 「トーチカ・ナ・カルチェ」ホテル
ホテルの名前は「地図の上の点」という意味。レニングラード州プリオゼルスクのラドガ湖畔に立っている。Rhizome Architectural Bureauは周囲の自然環境を反映するものとしてこの家をデザインした。ホテルは環境にやさしい技術で作られており、既成の部分も松林を邪魔しないよう重機を使わずに設置されている。
8. ドムブロ
ドムブロ設計事務所は、美しい場所を壁で覆ってしまうのは罪だと考えている。そこで彼らの目標は人と自然を融合させた家を作るというものである。彼らの作り出す家はパノラマウインドーと木の枠を使った耐力のある構造が組み合わされている。
9. マイクロハウスバーニャ
27平米の小さな家には、リビングルーム、キッチン、追加のベッドルームとしてのメザニン、バスルーム、スチーム・ルームがコンパクトに備わっている。こちらも設計士ルスタム・ケリモフと建築者アレクサンドル・モトコフのプロジェクトである。
10. コムナルカ・インフォ・センター
NOYD Сollab Buroのイーゴリ・アパリンがモスクワのグラーグ歴史博物館のために驚くほど小さなインフォメーション・センターを作った。木の建物は1930年代にソ連の警察が使用していた虐殺場にある。近代的にデザインされたインフォメーションセンターは、スターリンの粛清とソ連の政治的弾圧の場所に作られているのである。外装にはグレーのシミが描かれており、ドラマティックな効果を出している。また大きな窓からは多くの光を取り込んでいるが、恐ろしい事件が起きた場所を見ることもできる。
これらの建物はすべてARCHIWOOD 建築賞のファイナリストのものである。