1.ヤクーチヤのラップ
ロシア語に加え、シベリアのヤクーチヤ地域の人々はヤクート語も話す。クンネイという名で知られている若手歌手のウリヤナ・セルゲチェワは、その朗らかな歌「チーク(ヤクート語で“好き、クール”という意味)」で、踊りたい気持ちにさせる。彼女は歌う: 「そのときから、あなたはチークのリズムで踊るでしょう。そのときから、あなたはこの雰囲気の中で心躍ることでしょう」。さらにちょっと豆知識:この映像が出たあと、緑のひげをつけた面白い男性は、ヤクーチヤで大人気になり、現地の映画にも出演!
2.モルドヴィア民謡
モルドヴィアは中央ロシアの地域で、その首都サランスク(モスクワの東700km)は、ワールドカップ2018のホスト都市のひとつだった。この地域には、独自の(消滅しつつある)言語をもつモルドヴィン人たちが住んでいる。音楽グループ「メレマ(「伝説」という意味)は、おもしろい民芸品や古代の民族衣装を探しながら、この地域を旅してまわっている。彼らはさらに、婚礼歌「出ておいで、友たちよ」のような儀式用の古い音楽を収集している。メレマの目標のひとつは、現地の民族の言語と伝統を復活させることだ。
3.タタールスタンのヒップホップ
タタールカというニックネームで通っているイリーナ・スメラヤは、タタールスタンのナベレジヌイェ・チョルヌイ生まれ。タタールスタンだけでなくロシア全土で人気のミュージシャンだ。イリーナは、ロシア語とタタール語でラップを歌い、リトルビッグというバンドのリーダー、イリヤ・プルーシキンと結婚している。彼女のデビュー映像「アルティン」(「金」という意味)は、2016年のベスト100映像に入った。これ、なんのことを歌っていると思う?誇大広告、ビデオブログ、「金の」女性たちのことだ。
4.チュヴァシ語のポップス
クリスチアン・イラリオノフは、チェボクサール(モスクワの東670km東にあるチュヴァシ共和国の首都)出身の若手歌手で、この素敵な曲をチュヴァシ語で歌っている。きっと、チュヴァシ語なんて一度も耳にしたことがないかもしれないが、それでも間違いなくこのクリップは楽しめる。この中でクリスチアンは、火力発電所やヴィンテージもののソヴィエト車をバックに踊っている。この曲は「Only with Me」というタイトルで、不変的な愛のテーマを歌ったものだから、訳がなくても理解できるだろう。
5.バシキール語のロック
バンド「ブレラル」(「狼」という意味)は、バシキール語でロックを演奏している。彼らはバシコルトスタン共和国で非常に人気で、地元のほとんどの音楽祭で彼らの演奏を聞くことができる。このバンドは、スマートフォンでのクリップ撮影からオーケストラとの共演まで、新しい形態での演奏を頻繁に行っている。
6.カレリア語のラップ
アンドレイ・ゴルシコフは、カレリア国立劇場の俳優で、民族的にもカレリア人だ。子どもの頃からロシア語とカレリア語を話し、現在は、このロシアの北方地域で知られるラップミュージシャンだ。彼の詩は、自然の美しさ、澄んだカレリアの空気、この地のアットホームな感覚を歌っている。この曲は実に感動的だ。
7.アディゲ語のR&B
アドレル・コツバは、高校時代に歌を創りはじめ、アメリカのラッパー、50セントを聞いて音楽に興味をもつようになったと言う。彼は、ラブソング「彼女の香り」のおかげでロシアでは有名だ。南カフカスのアディゲ共和国出身の歌手バトィル・ドレフとともに、自分たちの故郷のことを歌った曲を演奏している。