ソ連の作曲家による「日本のメロディ」が日本で初演奏

 日本人の書いた詩にソ連の作曲家セルゲイ・ワシレンコが曲をつけた音楽が群馬県で開かれた日本とロシアの音楽的交流プロジェクト「日露音楽架け橋」で初めて演奏された。

 「毎年、プログラムにはロシア人作曲家が日本をテーマに作曲した声楽曲のシリーズものを含めているのですが、今年はセルゲイ・ワシレンコの“日本のメロディ”を選びました。声楽曲シリーズではロシアの作曲家たちは、日本の詩のロシア語訳を用いており、わたしたちはこのオリジナルを探しだし、コンサートでそれを朗読しています。しかし今回は作曲家自身が作詞をしていますので、テーマと雰囲気に合った短歌を選びました。ワシレンコの作品はこれまで一度も日本で演奏してされたことはありません」。今回のプロジェクトのオーガナイザーで参加者でもあるピアニストのユリア・レフさんはロシア通信に対し、このように述べた

 今日のコンサートプログラムでは日本の演奏家によるテルミンヴォックスの演奏が行なわれた。テルミンヴォックスは100年前にロシアの発明家レフ・テルミンによって開発にされた楽器である。

 ユリア・レフさんは「実はテルミンでの演奏法が受け継がれているのはロシアと日本だけとなっています。コンサートにはテルミンヴォックスが小さなマトリョーシカに内蔵されたマトリョミンという楽器を演奏する5人の日本人が出演します」と話す

 「音楽の架け橋」の第2部では芥川也寸志(芥川龍之介の子息)の作品が演奏された。芥川龍之介はロシア文学の影響を多大に受けており、とりわけ「鼻」はニコライ・ゴーゴリの同名の小説の、そして「芋粥」は「外套」の影響を強く感じさせる。

 ユーリー・レフさんによれば、「1954年に芥川也寸志氏はソ連を訪れ、ドミトリー・ショスタコーヴィチと会いました。今回のプログラムではゴーゴリの「鼻」の一部と芥川龍之助の「鼻」の一部、ショスタコーヴィチ作曲のオペラ「鼻」と芥川也寸志の作品の一部が演奏されます」とのこと。

 

 

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